
全文(印刷用)
- 社員ハンドブック
- 報告運用ルール
- 習慣化カードの運用ルール
- 習慣化の心理学
- 行動規範:権利と義務
- 自宅作業(在宅)の考え方とルール
- 勤怠・申請の運用(マネーフォワード)
- なりたい姿の宣言と目標運用
- 01 週次報告シート
- 04 月次カレンダー運用シート
- 05 イレギュラー申請シート
- 07 手順書テンプレート
- 08 なりたい姿シート
- 09 習慣化カード
社員ハンドブック
#はじめに
この冊子は、あなたに「何を期待しているか」「何を守ってほしいか」、そして「会社が何を約束するか」をまとめたものです。
これまで当社は、経験と「言わなくても分かるはず」で動いてきました。人が増えていく中で、それが通じなくなってきています。この冊子は、誰かを縛るために作ったものではありません。何を守れば自由にやっていいのかを、はっきりさせるためのものです。
読んで「これは守れそうにない」と思う項目があれば、遠慮なく言ってください。直します。
#1. 1年後、こうなっていてほしい姿
今すぐできる必要は、まったくありません。 3ヶ月目・6ヶ月目・1年目に、一緒に確認していきます。
一言でいうと、こういう状態です。
目的を自分で掴み、自分で段取りし、詰まったら早く出せる人。そして、違うと思ったら言える人。
具体的には、次のような場面での動き方です。
| 場面 | こうなっていてほしい |
|---|---|
| 月初 | 自分で今月の業務量を書き出し、締切から逆算して配置し、超過があれば自分から相談に来る |
| 朝 | その日の優先順位が自分の中で決まっている |
| 指示を受けたとき | 「これは何のためか」を確認し、目的に合わない点があればその場で指摘する |
| 詰まったとき | 30分で見切りをつけ、試したことと自分の案を添えて持ってくる |
| 判断が必要なとき | 案を2つ以上出し、「自分はこちらが良いと思う。理由は〜」まで言える |
| 失敗したとき | すぐ報告し、影響範囲を自分で把握してから対処案を出す |
| 遅れそうなとき | 遅れる前に伝え、組み替え案を持ってくる |
| 完了したとき | 「次に渡せる状態」まで仕上げてから完了とする |
| 他人の仕事 | 自分の完了が誰の着手条件かを把握し、詰まっている人がいれば声をかける |
| 異論があるとき | 「私はこう思います」と代案付きで述べ、決まったら従う |
| 振り返り | 何が効いたかを自分の言葉で説明でき、次に転用する |
| 休むとき | 前もって申告し、その週の予定を組み替えてから休む |
#求めていないこと
次のことは、評価の対象ではありません。
| 求めていないこと | 理由 |
|---|---|
| 長時間働くこと | 労働時間は成果でも姿勢でもありません。予定内で終える力のほうが上位です |
| 明るい・社交的であること | 性格であり、能力ではありません |
| 仕事が好きであること | 内心は求めません。行動が満たされていれば十分です |
| 何でも引き受けること | 引き受けすぎる人は、超過に気づけていない場合があります |
| 質問が少ないこと | 質問の「質」を見ます。少なさは評価しません |
#2. これからの半年で、あなたが進む道
育成は3つの段階に分かれています。段階が進むほど、あなたに任される範囲が広がります。
| 段階 | 時期 | この段階でやること | 到達したい状態 |
|---|---|---|---|
| ティーチング | 入社〜3ヶ月 | 教わったとおりに、まず型を守ってやる | 手順書を見ながら、独力で完了できる |
| コーチング | 3〜6ヶ月目 | 「なぜそうするか」を自分で考える | 想定外の場面で、対応案を2つ以上出せる |
| メンタリング | 6ヶ月目〜 | 自分で回す。困ったときだけ相談する | 人への確認が、意思決定事項だけに絞られている |
#ティーチング期(最初の3ヶ月)についての大事なお願い
最初の3ヶ月は、まず「型」のとおりに進めてください。
理由が分からないまま進む場面もあると思います。それでかまいません。理由は4ヶ月目以降に、一緒に考えます。 最初に理由を全部説明すると、覚えることが多くなりすぎるためです。
前職での経験がある方ほど、ここに戸惑いを感じるかもしれません。あなたのやり方が悪いという意味ではまったくありません。 まず当社の型を知っていただく必要がある、というだけです。3ヶ月後には、その経験を活かしていただく場面が来ます。
#段階が上がるとき/面談が減るとき
3ヶ月目・6ヶ月目に、あなたと一緒に到達度を確認します。一方的に合否を伝えることはしません。 あなたの自己評価と、教育担当の評価を突き合わせます。
そして段階が進むと、面談の回数が減ります。 これは放っておかれるという意味ではなく、任せられると判断したという意味です。減らすときは、必ず理由をお伝えします。困ったときは、いつでも声をかけてください。
#3. 毎日・毎週・毎月やること(報告)
進捗は、「予定」「現状」「完了」の3つで報告してもらいます。1つでも欠けると、遅れに気づくのが遅くなります。あなたを監視するためではなく、困る前に手を打つためのものです。
| いつ | やること | 時間 |
|---|---|---|
| 毎日(終業前) | 完了したこと/完了しなかったこと/その理由を記録する | 5分 |
| 毎週 金曜16:00まで | 週次報告シートを提出する | 15分 |
| 毎月 第1営業日 | 今月やることを書き出し、カレンダーに配置する | 75分 |
| 毎月 最終営業日 | 予定と実績の差を振り返る | 30分 |
#「完了」とは
「作業した」ではなく「次に渡せる状態になった」ことを完了とします。
| 状態 | 完了? |
|---|---|
| 作業したが、確認していない | ❌ まだです |
| 確認したが、まだ提出していない | ❌ まだです |
| 提出し、次の人が着手できる状態 | ✅ 完了です |
| 提出したが、相手の返答待ち | ✅ 完了です(自分の手離れは済んでいます) |
#週次報告で必ず書いてほしいこと
- 今週完了しなかったことと、その理由
- 詰まっていること・困っていること
- 今週、一番迷ったこと
うまくいっていることだけでなく、詰まっていることも書いてください。 早く分かるほど、一緒に手を打てます。
「困っていることは特にありません」が続いたときは、こちらから声をかけます。詰まらないほうが、むしろ普通ではありません。 書きにくいことがあれば、それも含めて相談してください。
#月の業務量が多すぎたとき
月初に予定を立てて、明らかに時間が足りないことが分かったら、必ず相談してください。
「頑張って詰め込む」は選択肢に入れません。 優先順位を落とす、誰かに渡す、期限を交渉する、やり方を変える、のどれかで調整します。
#4. わからないことがあったとき
#4-1. 質問の3ステップ
わからないことに出会ったら、次の順番でお願いします。
① 自分で調べる(手順書・過去の資料) … 目安10分
↓ 解決しない
② AIに聞く(前提と試したことを添えて) … 目安20分
↓ 解決しない、または判断が必要
③ 人に聞く(AIの回答と、自分の考えをセットで)
#4-2. 30分ルール
①②に使う時間は、合計30分までです。
30分やって解決しないなら、それは人に聞くべき問題です。すぐ持ってきてください。
「自分で解決しなければ」と一人で抱えて半日使ってしまうより、聞いてもらったほうがずっと早く進みます。聞くことは、遠慮するようなことではありません。
#4-3. 人に聞くときに添えてほしい4つ
| # | 添えてほしいこと |
|---|---|
| 1 | やりたいこと(何を達成したいのか) |
| 2 | 詰まっていること(どこで、どう詰まっているのか) |
| 3 | 試したこと(自分で調べたこと、AIに聞いた結果) |
| 4 | 自分の考え(「自分はこうしたほうがよいと思う」) |
4は無くてもかまいません。 その場合は「案が出せませんでした」と一言添えてください。それも大事な情報です。
これは突き放すためのものではありません。考える手順を身につけてもらうためのものです。慣れるまでは、一緒に組み立てます。
#4-4. 最初から人に聞いてよいこと
次の3つは、AIを経由せず、すぐに人に聞いてください。
| 分類 | 例 |
|---|---|
| 顧客・金銭・契約に関わる判断 | 見積り、値引き、納期の約束、契約条件、クレーム対応 |
| 会社としての方針・優先順位 | 何を優先するか、やるかやらないか |
| 本人の心身・人間関係 | 体調不良、働き方の悩み、人間関係のトラブル、待遇の相談 |
3つ目を必ず覚えておいてください。 「まずAIに聞け」というルールが、しんどいことを言い出せない理由になってはいけません。
#4-5. AIを使うときの注意
- AIの回答は「たたき台」であり、「正解」ではありません
- そのまま提出しないでください。必ず自分で読み、理解してから使ってください
- 数字・固有名詞・手順は、必ず一次情報で裏を取ってください
- 自社のルールと違うことを言われたら、自社のルールが優先します
- 「なぜそうなるか」を説明できないものは、使わないでください
AIに入れてはいけない情報:顧客の個人情報/契約書や価格表/社員の個人情報/ID・パスワード
これらを含む内容を聞きたいときは、固有名詞を伏せて一般化して聞くか、人に聞いてください。
#4-6. 必ず上に上げてほしいこと
判断せず、すぐに報告してください。迷ったら上げる、が原則です。
| 種類 | いつ |
|---|---|
| 顧客からのクレーム・苦情 | 気づいた時点ですぐ |
| 納期に間に合わない見込み | 遅れが見えた時点(起きてからではありません) |
| 金額・契約条件の変更依頼 | 回答する前 |
| データの消失・誤送信 | 気づいた時点ですぐ |
| 前例のない依頼 | 着手前 |
悪い報告ほど、早く上げてください。早く上げたことを叱ることはありません。
#5. 守ってほしいこと(権利と義務)
#5-1. 「自由」の意味
当社は自由な社風を大事にしています。ただし、次のことをはっきりさせておきます。
自由とは「何をしてもよい」ことではありません。
「果たすべきことを果たした人が、やり方を選べる」状態を指します。
つまり、自由は前提ではなく結果です。義務を果たしている人に、裁量が渡されます。
#5-2. 権利と義務の対応
| あなたが選べること | セットで果たしてほしいこと |
|---|---|
| 仕事の進め方を自分で決められる | 決めた進め方を説明でき、期限内に完了させる |
| 働く時間を柔軟に調整できる | 予定を事前に共有し、連絡がつく状態を保つ |
| 働く場所を選べる(可能な業務) | 成果と進捗が、離れていても見える状態にする |
| 意見を述べ、異論を出せる | 代案を添える。決まったあとは決定に従う |
| 失敗しても責められない | 早く報告する。隠さない。同じ失敗を繰り返さない |
| やりたい仕事に手を挙げられる | 今の担当を果たしている |
| 質問し、教えてもらえる | 自分で調べ、AIに聞いてから持ち込む(30分ルール) |
| 休みを取れる | 事前に申告し、その期間の業務を組み替えてから休む |
#5-3. 基本ルール
時間
- 始業時刻に、業務を開始できる状態にしておく
- 遅刻・欠勤は始業前に連絡する(事後連絡にしない)
- 締切は守る。守れない見込みが立った時点で、守れなくなる前に伝える
- 出退勤の打刻、休暇・残業の申請は、会社が指定するシステムで行う(別紙「勤怠・申請の運用」)
- 当日の急な事情では、連絡が先。申請は落ち着いてからで大丈夫です
連絡・報告
- 報告の3軸(予定・現状・完了)を、決められた頻度で提出する
- 悪い報告は早く出す
- 業務時間内に受けた連絡には、業務時間内に一次返信する(内容は後でよい)
- 離席・外出・休暇は、事前に分かる状態にする
仕事の進め方
- 「作業した」ではなく「次に渡せる状態」を完了とする
- 決まっている手順は守る。変えたい場合は、変える前に提起する
- 決めたこと・教わったことは記録に残す
- 決められた場所に保存する(個人の手元に留めない)
人との関わり
- 異論は述べてよい。ただし代案を添える。決まったら従う
- 本人のいないところで不満を言わない。言うべきことは本人か経営者に言う
- 指摘は、人格ではなく行動と事実に対して行う
- 質問・相談の前に、相手が手を止められる状況かを確認する
- 明らかに困っている人がいたら、声をかける
#6. 当社の文化(迷ったときの拠り所)
ルールは「やること」、文化は「迷ったときの選び方」です。
| # | 文化 | 迷ったときの判断 |
|---|---|---|
| 1 | 悪い情報ほど早く | 「言いにくいこと」は、言いにくいと感じた時点で出す |
| 2 | やり方は自由、目的は共有 | 迷ったら「これは何のためか」に戻る |
| 3 | 考えてから聞く、抱えずに聞く | 30分やって出口が見えなければ、持っていく |
| 4 | 決まるまでは自由に、決まったら揃える | 反対でも、決まったことは実行する。再提起は次の機会に |
| 5 | 人ではなく、仕組みを直す | 「気をつける」で終わらせない |
| 6 | できないことは、できないと言う | 分からないまま進めると、あとで大きな手戻りになる |
#7. 出社と自宅作業について
#7-1. 基本は出社です
「決まりだから」では納得できませんよね。実際に何が変わるのかを説明します。
10名以下の会社では、次のことで業務が回っている部分が大きいためです。
| # | 出社で起きていること |
|---|---|
| 1 | すれ違いざまの確認 「これ、こういう理解で合ってますか」が5秒で済む |
| 2 | 詰まりが見える 手が止まっている、表情が曇っている、が周りから分かる |
| 3 | 雑談から出る情報 お客様の様子、進行中の話、何となくの気配が共有される |
| 4 | 教える/教わる速度 見せる・一緒にやるが、その場でできる |
| 5 | 聞ける空気 「今いいですか」が言いやすい状態は、同じ場にいることで作られる |
サボると思っているわけではありません。 真面目に働いていても、上の5つは起きます。個人の成果の話ではなく、組織としての速度と情報共有の話です。
#7-2. それでも、自宅作業を認めます
お子さんの急な発熱、学級閉鎖、保育園からの呼び出しなど、やむを得ないことは必ず起きます。そのときは自宅で進めてもらってかまいません。遠慮しないでください。
そのほか、家族の介護・看護、本人の体調(出社は難しいが業務は可能)、交通機関・天候なども対象です。
理由の詳細を説明する必要はありません。 区分と期間だけで十分です。
#7-3. ただし、2つの前提があります
| 前提 | 内容 |
|---|---|
| ① 自分の仕事を自分で回せる状態であること | 在宅では、誰も声をかけてくれません。詰まったことに自分で気づいて、自分から出す必要があります |
| ② 今すぐ進めるべき業務が明確にあること | 納期が迫っているなど、「休むと間に合わないものがある」から場所を変えて進める、という手段です |
入社から3ヶ月の間は、原則として出社をお願いしています。 これは、あなたにできないと思っているのではなく、「見せる・一緒にやる」が在宅では成立しないためです。出社が難しい日は、在宅ではなく休んでください。 教える予定だった内容は、翌日以降に振り替えます。遅れをあなたの責任にすることはありません。
#7-4. 急ぎの仕事がないときは、休んでください
これが一番お伝えしたいことです。
急ぎの仕事がないのに、お子さんの看病をしながら無理に働く必要はありません。中途半端に働くと、看病も仕事もどちらも中途半端になります。
休むことは、権利であると同時に、正しい判断です。
休んで、翌日以降に予定を組み替えるほうが、結果的に速く終わります。
#7-5. 会社が約束すること
| # | 約束 |
|---|---|
| 1 | 申請を出したことを、評価上不利に扱いません |
| 2 | 在宅の日でも、必要な情報を届けます(会議の内容、決まったこと) |
| 3 | その日の予定は、教育担当が引き取るか再配置します |
| 4 | 事情の詳細(家庭・健康)を、周囲に共有しません。運用がどう変わるかだけを共有します |
| 5 | 在宅が続く場合、担当業務の組み替えを一緒に検討します |
#7-6. 自宅作業の日にお願いすること
在宅では、周りからあなたの状況が見えません。その分だけ、見えるようにする手間をお願いします。
- 始業時に「開始します/今日やること」を連絡する
- 終業時に「完了したこと/残ったこと」を連絡する
- 連絡がつく状態を保つ(応答は業務時間内でよい)
- 中座する場合は伝える(通院・送迎など)
- 詰まったら30分ルールを守る(出社時より厳格に)
- 顧客情報・機密情報の取り扱いに注意する
#7-7. 当日の急な事情のとき
手続きより、連絡が先です。
| 順 | やること | いつまで |
|---|---|---|
| 1 | 連絡する(電話・チャットいずれでも可) | 始業時刻まで |
| 2 | 「在宅で進めたいか/休みたいか」の希望を伝える | 同上 |
| 3 | その日進める業務を、教育担当と5分で決める | 始業後30分以内 |
| 4 | 申請シートを提出する | 当日中〜翌営業日 |
お子さんの看病をしながら申請シートを書く必要はありません。
#8. あなたが「どうなりたいか」
会社が用意したゴールだけで走ると、頑張る理由をずっと会社が供給し続けることになります。それよりも、あなた自身の「こうなりたい」から動いてもらうほうが、お互いにとって良いと考えています。
#8-1. なりたい姿シート
入社1週目に、シートをお渡しします。次の3つを書いてください。
| 時間軸 | 質問 |
|---|---|
| 1年後 | どんな仕事を、どのくらい任されている状態でいたいか(具体的に) |
| 3年後 | 何ができる人だと言われていたいか |
| その先 | 仕事を通じて、どうなっていたいか(曖昧でかまいません) |
#8-2. 約束します
| 約束 | 内容 |
|---|---|
| 評価には使いません | ここに書いたことで評価が変わることはありません |
| 未達を責めません | 書いた目標に届かなくても、それを理由に責めることはありません |
| 変わってかまいません | 働いてみて変わるのは自然なことです。3ヶ月ごとに書き直せます |
| 「特にない」でもかまいません | 今は無理に決めなくて大丈夫です。空欄で出してください |
| 同意なく共有しません | 教育担当と経営者のみが見ます |
会社が望む答えを書く必要はありません。 内容について、こちらが評価したり否定したりすることもありません。
#8-3. 月に1つだけ
月初の予定づくりのとき、なりたい姿に近づく項目を1つだけ入れてください。
大きくなくて結構です。目安は、その月の稼働の5%以内。
| なりたい姿の例 | 月に入れる1項目の例 |
|---|---|
| 〇〇案件を一人で回したい | 〇〇案件の見積もり部分だけ自分で作ってみる |
| お客様と直接話せるようになりたい | 打ち合わせに1回同席し、議事録を書く |
| 人に教えられるようになりたい | 自分の担当業務の手順書を1本書く |
できなかった月があっても、責めません。 続くようなら、項目が大きすぎるか、本業が過負荷です。一緒に見直します。
#9. 面談・報告の予定
曜日・時刻は固定です。カレンダーに入れておいてください。
| 枠 | いつ | 対象 |
|---|---|---|
| 日次の完了報告 | 毎日 終業前 5〜10分 | 全員 |
| 週次報告 提出 | 毎週 金曜 16:00まで | 全員 |
| 週次面談 | 毎週 金曜 16:30〜17:00 | ティーチング期 |
| コーチング半日 | 毎週 水曜 13:00〜16:30 | コーチング期 |
| 1on1 | 隔週 水曜 16:00〜16:30 | メンタリング期 |
| 月次予定づくり | 毎月 第1営業日 10:00〜11:15 | 全員 |
| 月末振り返り | 毎月 最終営業日 15:00〜15:30 | 全員 |
#節目の面談
| 時期 | 内容 | 時間 |
|---|---|---|
| 入社1週目 | 初回すり合わせ(この冊子の読み合わせ、なりたい姿シートをお渡し) | 90分 |
| 入社2週目 | なりたい姿の読み合わせ | 45分 |
| 3ヶ月目末 | ティーチング卒業の確認/3ヶ月見ての気づきの共有 | 60分 |
| 6ヶ月目末 | コーチング卒業の確認 | 60分 |
| 1年目 | 年次振り返り/次の1年のなりたい姿 | 90分 |
| 以降 半年ごと | なりたい姿の更新 | 60分 |
面談は、こちらの都合で流したりしません。 やむを得ず動かす場合は、その週のうちに代替日を決めます。
#10. 困ったときは
#10-1. こんなときは、すぐ言ってください
- 仕事量が明らかに多い/少ない
- 体調がすぐれない
- 働き方について相談したいことがある
- 人間関係で困っている
- 教え方が自分に合っていないと感じる
- この冊子のルールが、どうしても守れそうにない
これらは、AIに聞かずに直接持ってきてください。
#10-2. 会社が守ること
| # | 約束 |
|---|---|
| 1 | 遅れや失敗の報告を叱りません。早く言ってくれたことに感謝します |
| 2 | 提出してもらった報告は、必ず読みます |
| 3 | 異論を出されたら、まず「言ってくれてありがとう」と受け取ります。採否はその後です |
| 4 | 忙しいときでも、「今忙しい」で終わらせず、いつなら話せるかをお伝えします |
| 5 | ルールは、先にいる人(経営者・先輩)から守ります |
| 6 | 教えていないことを、できなくても責めません |
#10-3. この冊子について
- 半年に1回(4月・10月)、全員で見直します
- 守られていない項目は、削るか、守れる形に変えます
- 項目を増やすことより、機能していない項目を削ることを優先します
読んで納得できない箇所があれば、そのまま言ってください。 納得できないルールは、結局守られません。
報告運用ルール(予定・現状・完了)
#1. なぜ3軸が必要か
報告は、次の3軸すべてが揃って初めて機能する。1軸でも欠けると管理は成立しない。
| 軸 | 意味 | 欠けると起きること |
|---|---|---|
| 予定 | 今月やらなければならない業務量と、その配分 | 基準がないため、遅れているかどうかが誰にも分からない |
| 現状 | 実際の進行状況。予定に対する差分 | 月末になって初めて未達が発覚する |
| 完了 | 終わったこと。次に渡せる状態か | 「やった」と「終わった」の区別がつかず、後工程が止まる |
多くの職場では「完了」の報告だけが存在する。それだけでは、遅れを事前に発見できない。予定と現状の差分を見て初めて、手を打つ余地が生まれる。
#2. 視座を高くする方法
「視座を高くする」ことは、精神論では実現しない。可視化によって実現する。
自分の担当業務が、月単位でどれだけあり、今どこまで進んでいるかを一覧できる状態にすれば、人は自然に全体を見るようになる。逆に、目の前のタスクしか見えない状態で「視野を広く持て」と言っても、見る材料がない。
したがって、本ルールの核心は次の1点である。
月初に、1ヶ月分の業務量を本人自身に書き出させ、カレンダー上に配置させる。
書き出すのは教育担当ではなく、本人である。他人が作った予定表を見ても、俯瞰する力は身につかない。
#3. 運用サイクル
【月初】予定を立てる(本人が作成 → 教育担当が確認)
↓
【毎日】完了したことを記録(本人・5分)
↓
【毎週】現状を報告(本人 → 教育担当・週次報告シート)
↓
【月末】予定と実績の差分を振り返る(本人+教育担当)
↓
次の月の予定へ反映
#4. 月初:予定を立てる
#4-1. 手順
| 手順 | 内容 | 所要 |
|---|---|---|
| 1 | 今月やることをすべて書き出す(定例・案件・締切のあるもの) | 20分 |
| 2 | 各項目に、必要な時間の見積もりを書く | 10分 |
| 3 | 合計時間を出し、今月の稼働可能時間と比較する | 5分 |
| 4 | カレンダーに配置する(締切から逆算して置く) | 20分 |
| 5 | 教育担当に提出し、確認を受ける | 15分 |
様式は templates/04_月次カレンダー運用シート.md を使う。
#4-2. 合計時間が稼働時間を超えた場合
これが起きたときが、最も重要な場面である。 超過が判明した時点で、次のいずれかを教育担当と決める。
- 優先順位を落とす(今月やらない)
- 誰かに渡す
- 期限を交渉する
- やり方を変えて時間を減らす
「頑張って詰め込む」を選択肢に入れない。 それを許すと、見積もりを正直に出さなくなり、可視化の意味が失われる。
なお、担当する業務量そのものは、本来やりきれる範囲で設計されている。それでも超過が出る場合は、見積もりが実際より短めになっているか、想定外の割り込みが多いか、そのどちらかである。どちらも本人の能力の問題ではない。原因を特定しないまま「やれるはず」で進めないこと。
#4-3. 教育担当の確認ポイント
- 抜けている業務はないか
- 見積もり時間は現実的か(楽観的すぎないか)
- 締切の直前に固まっていないか
- 割り込みや想定外のための余白が確保されているか(目安:稼働の2割)
- 他の人の作業を止める項目が、早めに置かれているか
#5. 毎日:完了を記録する
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイミング | 終業前の5分 |
| 記録先 | 週次報告シートの「完了」欄(または共有カレンダー) |
| 書く内容 | 完了したこと/完了しなかったこと/その理由 |
#5-1. 「完了」の定義
「作業した」ではなく「次に渡せる状態になった」ことを完了とする。
| 状態 | 完了か |
|---|---|
| 作業したが、確認していない | ❌ 未完了 |
| 確認したが、まだ提出していない | ❌ 未完了 |
| 提出し、次の人が着手できる状態 | ✅ 完了 |
| 提出したが、相手の返答待ち | ✅ 完了(自分の手離れは済んでいる) |
この定義を曖昧にすると、「完了報告があったのに終わっていない」という事態が起きる。最初に定義を共有する。
#6. 毎週:現状を報告する
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイミング | 週の最終営業日(曜日を固定する) |
| 様式 | templates/01_週次報告シート.md |
| 提出先 | 教育担当 |
| 所要 | 本人15分・確認10分 |
#6-1. 報告に必ず含めること
- 予定に対する進捗率(今月の全体を100%として、今どこか)
- 今週完了したこと
- 今週完了しなかったこと、およびその理由
- 詰まっていること/困っていること(なければ「なし」と明記)
- 来週やること
- 遅れの見込み(あれば、いつ・どれくらい・どうするか)
3と4を必ず書かせる。 良いことだけの報告は、報告ではない。
#6-2. 教育担当の受け方
| やること | やらないこと |
|---|---|
| 遅れの報告に「早く言ってくれてよかった」と返す | 遅れの報告を叱る |
| 「困っていることなし」が続いたら、本当か確認する | 「なし」を鵜呑みにする |
| 数字(進捗率)と実感のズレを確認する | 数字だけで判断する |
| 対策を本人に考えさせる(コーチング段階以降) | 対策をすべてこちらで決める |
遅れの報告を叱った瞬間、以後の報告は当たり障りのないものになる。 この制度が続くかどうかは、ここで決まる。
#7. 月末:振り返る
月末に、教育担当と本人で30分の振り返りを行う。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 予定に対する達成率 | 何割終わったか |
| 見積もりの精度 | 見積もりより多くかかったのはどれか。なぜか |
| 想定外の割り込み | どれくらいあったか。次月の余白に反映する |
| 遅れたもの | いつ気づいたか。もっと早く気づけたか |
| 来月への反映 | 見積もりの取り方、余白の量をどう変えるか |
「見積もりの精度」を毎月見ることで、本人の見積もり能力が上がる。 これは、視座を高くするうえで最も実効性のある訓練である。
#8. カレンダーでの可視化
3軸は、カレンダー上で色分けして可視化する。ツールは既存のもの(Googleカレンダー等)でよい。新しいツールを導入しない。
| 表示 | 内容 |
|---|---|
| 予定 | 月初に配置した業務。着手予定日に置く |
| 現状 | 進行中のものに印をつける(または別色に変える) |
| 完了 | 完了したものに印をつける(または別色に変える) |
教育担当は、本人のカレンダーをいつでも見られる状態にしておく。 ただし、見て気づいたことをすぐ指摘しない。週次報告の場で扱う。常時監視されている感覚は、報告の質を下げる。
#9. 段階別の報告頻度
育成段階が進むにつれ、報告の頻度と粒度を変える。
| 段階 | 日次 | 週次 | 月次 |
|---|---|---|---|
| ティーチング(1〜2ヶ月目) | 口頭で完了確認(10分) | 面談30分 | 予定作成は教育担当と一緒に |
| ティーチング(3ヶ月目) | シートに記録のみ | 面談30分 | 予定作成を本人が試みる |
| コーチング(4〜6ヶ月目) | シートに記録のみ | 面談(週半日の中で30分) | 予定作成は本人。教育担当は質問のみ |
| メンタリング(7ヶ月目〜) | シートに記録のみ | シート提出のみ(面談なし) | 隔週1on1で確認 |
頻度を下げるときは、必ず理由を伝える。 「任せられると判断したから」と明言する。無言で減らすと、放置と受け取られる。
#10. よくある失敗と対処
| 失敗 | 背景 | 対処 |
|---|---|---|
| 報告が形骸化する(毎週同じ内容) | 書くことが目的化している | 「今週、一番迷ったこと」を1つ書かせる。定型化できない項目を入れる |
| 提出が遅れる | 優先順位が低いと思われている | 提出を業務時間内の固定枠にする(金曜16:00〜16:15など) |
| 予定を立てても守られない | 見積もりが実際より短い/割り込みが多い | 月末の振り返りで原因を特定する。責めない |
| 教育担当がシートを見ていない | 本業が忙しい | 見る時間も固定枠にする。見ないなら提出させない |
| 「困っていることなし」が続く | 言い出しにくい/自覚していない | 「今週、手が止まった時間は何分ありましたか」と事実で聞く |
最後から2番目に注意したい。提出してもらっておいて見ない状態が続くと、報告制度は一番早く形骸化する。 見る時間を確保できないなら、頻度を下げてでも必ず見ること。
習慣化カード(スタンプ)の運用ルール
#1. なぜスタンプなのか
報告も振り返りも、やる意味は分かっていても続かない。理由は意志の弱さではなく、次の2つである。
| 続かない理由 | 対処 |
|---|---|
| やった手応えが残らない | 目に見える形で積み上がるようにする |
| 1日サボると、そのまま止まる | 戻ってきやすい設計にする(下記5章) |
子どものころのラジオ体操カードが続いたのは、早起きが好きだったからではない。押すところがあったからである。同じ仕組みを、大人の仕事にも使う。
#1-1. この仕組みで「やらないこと」
先に、やらないことを決めておく。ここを外すと逆効果になる。
| やらないこと | 理由 |
|---|---|
| 評価に使わない | 評価されると分かった瞬間、スタンプを押すことが目的になる |
| 他の人と比べない・ランキングを作らない | 10名以下の組織で順位をつけると、必ず誰かが追い詰められる |
| 教育担当がスタンプを押す/確認する | 監視になる。押すのは本人だけ |
| 途切れたことを話題にする | 「なんで途切れたの」と一度言われたら、二度と本音では続かない |
| 強制する | やめたい人はやめてよい。強制した時点で習慣ではなく義務になる |
#2. 何にスタンプを押すか
1日1個だけ。 増やさない。
| スタンプ | 条件 | 所要 |
|---|---|---|
| 今日のスタンプ | 終業前の5分を書いた(完了したこと/終わらなかったこと/詰まったこと1件) | 5分 |
これは 40_報告運用ルール.md の日次記録そのものである。新しい作業を増やしていない。 すでにやってもらっていることに、押す場所をつけただけである。
#2-1. ボーナススタンプ(任意)
続けやすくするための、おまけの枠。押せなくても、今日のスタンプには影響しない。
| ボーナス | 条件 | 頻度 |
|---|---|---|
| 週次 | 週次報告を金曜16時までに出した | 週1回 |
| 月初 | 月初の予定づくりをやった | 月1回 |
| 月末 | 月末の振り返りをやった | 月1回 |
| なりたい姿 | 「なりたい姿に近づく1項目」をやった | 月1回 |
#3. 連続日数(ストリーク)
Duolingoなどと同じく、連続日数を表示する。ただし当社版には重要な違いがある。
#3-1. 休んだ日は、途切れない
| 日 | 扱い |
|---|---|
| 土日・祝日 | カウント対象外(途切れない) |
| 有給・休暇 | カウント対象外(途切れない) |
| 体調不良で休んだ日 | カウント対象外(途切れない) |
| 子どもの事情で休んだ日 | カウント対象外(途切れない) |
| 自宅作業をした日 | 通常どおりカウント(在宅でも報告は出すため) |
ここが最も重要である。
一般的なストリークの仕組みは、「途切れたくないから休めない」という圧力を生む。当社は 55_自宅作業(在宅)の考え方とルール.md で「急ぎの仕事がないときは休んでください」と明言している。その方針と矛盾する仕組みは入れない。
休んでもストリークは途切れません。
休むことは、この仕組みにおいてマイナスではありません。
カードには「お休み」の印を用意する。休んだ日はそれを置けば、連続は続いたままになる。
#3-2. 押し忘れは、翌営業日まで遡って押せる
前日分を忘れた場合、翌営業日中なら遡って押してよい。厳密さより、続くことを優先する。
2営業日以上空いた場合はリセットされるが、それも下記5章のとおり、問題として扱わない。
#4. 節目のバッジ
積み上がりが見えるように、節目でバッジがつく。育成段階の節目と重ねてある。
| バッジ | 条件 | 重なる節目 |
|---|---|---|
| はじめの一歩 | 5営業日 | 入社1週目を終えた |
| ひと月 | 20営業日 | ティーチング1ヶ月目 |
| 三日坊主を超えた | 30営業日 | ― |
| ティーチング完走 | 60営業日 | 3ヶ月目の振り返り |
| 半年 | 120営業日 | 6ヶ月目の振り返り |
| 一年 | 250営業日 | 1年目の振り返り |
節目のバッジがついた日は、1on1や面談で一言ふれる。 「60日続きましたね」だけでよい。評価ではなく、事実の確認として。
#5. 途切れたときの扱い
途切れます。必ず途切れます。 それでよい設計にしてある。
| 状況 | 扱い |
|---|---|
| 忙しくて数日抜けた | 何も起きない。 また今日から押せばよい |
| 1ヶ月やらなかった | 同上。カードは残っているので、途中から再開できる |
| そもそも合わない | やめてよい。 報告そのものは続けてもらうが、スタンプは任意 |
#5-1. 教育担当がやること・やらないこと
| やること | やらないこと |
|---|---|
| 自分も同じカードを続ける(先にいる人から) | 本人のカードを見に行く |
| 節目のバッジに一言ふれる | 途切れた理由を聞く |
| 本人から見せてきたら一緒に喜ぶ | 「最近押してないね」と言う |
途切れた理由を聞かない。 聞いた時点で、これは報告義務になり、習慣化の仕組みではなくなる。
#5-2. ただし、こういうときは声をかける
スタンプではなく、報告そのものが止まっている場合は別である。これは AIメンタリング 運用ルール 5-3章の「支援が必要なサイン」にあたる。
「最近どうですか」から始める。スタンプの話はしない。
#6. 紙と画面、どちらを使うか
どちらでもよい。両方使ってもよい。
紙(templates/09_習慣化カード.md) | 画面(ナレッジサイト) | |
|---|---|---|
| 良い点 | 手で押す満足感がある。机に貼れる | 連続日数とバッジが自動計算される |
| 向いている人 | 手を動かしたい人 | 記録を残したい人 |
| 保管 | 印刷して手元に置く | ブラウザに保存(自分の端末内のみ) |
#6-1. 画面版のデータの扱い
- 記録は閲覧している端末のブラウザ内だけに保存される(サーバーに送信されない)
- 他の人からは見えない。会社も見ない
- 端末を変えると引き継がれないため、必要なら書き出し機能でファイル保存する
- ブラウザのデータを消すと記録も消える。消えても問題ないものとして扱う
#7. 導入のしかた
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | まず経営者・教育担当が1ヶ月続けてみる |
| 2 | 続いたら、全社員に紹介する(強制しない) |
| 3 | 新しく入った方には、入社1週目に紙のカードを渡す |
| 4 | 半年後、実際に使われているかを確認し、使われていなければやめる |
手順1を飛ばさない。 上にいる人が続いていない仕組みは、下でも続かない。
#7-1. 紹介するときの言葉
「終業前の5分の記録に、スタンプを押す欄をつけました。ラジオ体操カードみたいなものです。
これは評価には一切使いません。誰かと比べることもしません。 私も見に行きません。自分の手元で、続いているのが見えるだけのものです。
休んだ日は途切れないようにしてあります。有給も、体調不良も、お子さんの事情もです。続けるために休まない、みたいなことにはしたくないので。
途切れても何も起きません。合わなければ、やめてもらっても大丈夫です」
#8. 半年後の見直し
| 確認すること | 判断 |
|---|---|
| 実際に押している人がどれくらいいるか | 半数未満なら、仕組みを見直すかやめる |
| 報告そのものの提出率は上がったか | これが本来の目的。 上がっていなければ意味がない |
| 「途切れるのが嫌で無理をした」人がいないか | 1人でもいたら、設計を見直す |
| やめたい人が言い出せているか | 言い出せない空気になっていたら、いったん全体で止める |
スタンプの継続率ではなく、報告の提出率で判断する。 スタンプは手段であって、目的ではない。
#9. 関連文書
| 文書 | 関係 |
|---|---|
40_報告運用ルール.md | スタンプの対象になる日次記録の中身 |
| 面談・報告スケジュール | 終業前5分・週次・月初月末のタイミング |
55_自宅作業(在宅)の考え方とルール.md | 「休んでも途切れない」設計の根拠 |
70_なりたい姿の宣言と目標運用.md | ボーナススタンプ「なりたい姿の1項目」 |
templates/09_習慣化カード.md | 印刷して使うカード |
習慣化の心理学:背景となる考え方
この文書は理論の紹介ではなく、教訓集である。
各項目は「誰の、どういう考えか」→「そこから何を学ぶか」→「当社の仕組みにどう反映したか」の順で書いてある。
面談や説明の場で、そのまま使える言葉としてまとめている。
#1. なぜ心理学を押さえておくのか
習慣化の仕組みは、善意で作ると逆効果になりやすい領域である。
「毎日やらせる」「続いた人を表彰する」「途切れたら声をかける」。どれも良かれと思ってやることだが、いずれも続かなくする方向に働くことが分かっている。
なぜそうなるのかを知っていれば、設計を間違えない。以下の8つは、そのための最低限である。
#2. 教訓1:習慣は「意志」ではなく「設計」の問題
#考え方
アリストテレス(古代ギリシャの哲学者)は、卓越性とは一度の行為ではなく繰り返しによって形づくられるものだと述べた。人格は反復によって作られるという「習慣(ヘクシス)」の考え方である。
よく知られた「我々は繰り返し行うことの結果である。ゆえに卓越性とは行為ではなく習慣である」という一節は、哲学史家ウィル・デュラントによるアリストテレス思想の要約である。原典そのままの言葉ではない点は、引用する際に注意したい。
#学ぶこと
続かないのは、その人の意志が弱いからではない。 続く形になっていないだけである。
#当社の仕組みへの反映
- 教育担当も本人も、「意志が足りない」という説明を使わない
- 続かないときは、人ではなく仕組みを直す(
50_行動規範_権利と義務.mdの文化5「人ではなく、仕組みを直す」と同じ)
#3. 教訓2:小さくしないと始まらない
#考え方
B.J.フォッグ(スタンフォード大学・行動科学者)は、行動が起きる条件を B = MAP(Behavior = Motivation × Ability × Prompt/動機 × 実行しやすさ × きっかけ)として整理した。動機は日によって上下するため、動機に頼らず「実行しやすさ」を上げるほうが確実だとする。
ジェームズ・クリア(『Atomic Habits』)も同様に、新しい習慣は2分以内で終わる形から始めることを勧めている。
#学ぶこと
大きな目標より、確実に終わる小ささが先。
#当社の仕組みへの反映
- スタンプの条件を 1日5分の記録、1個だけにした(
472章) - 項目を増やしたくなるが、増やさない
- ボーナスは任意にし、押せなくても本体に影響しない設計にした
#4. 教訓3:きっかけを、時刻ではなく「行動」に結びつける
#考え方
ピーター・ゴルヴィツァー(心理学者)の実行意図(implementation intentions)の研究では、「いつ・どこで・何をするか」を事前に「もし X なら、Y する」の形で決めておくと、実行率が大きく上がることが示されている。
ジェームズ・クリアはこれを習慣スタッキング(既存の習慣の直後に新しい習慣をつなげる)として実務向けに整理している。
#学ぶこと
「毎日やる」では続かない。「〇〇したら、やる」にすると続く。
#当社の仕組みへの反映
- 記録のタイミングを「終業前」という既存の行動に固定した(面談・報告スケジュール)
- 「気が向いたら書く」にしていない
- 面談・報告の枠をすべて曜日と時刻で固定しているのも同じ理由
本人に伝える言い方:「帰り支度を始めたら、5分だけ書く。 これをセットにしてください」
#5. 教訓4:進んでいるのが見えないと続かない
#考え方
カール・ワイク(組織心理学者)は「スモール・ウィンズ(小さな勝利)」という考え方を示した。大きすぎる課題は人を無力にするが、小さな成果が目に見えて積み上がると、次の行動が引き出される。
アルバート・バンデューラ(心理学者)の自己効力感の研究でも、「自分にはできる」という感覚を最も強く育てるのは、実際に達成した経験だとされている。
#学ぶこと
やる気があるから続くのではない。続いているのが見えるから、やる気が出る。順序が逆である。
#当社の仕組みへの反映
- スタンプが目に見えて並ぶ形にした(ラジオ体操カード型)
- 節目にバッジを置き、育成段階の節目と重ねた(
474章) - 報告運用でも、月の進捗率を可視化している(
40_報告運用ルール.md)
#6. 教訓5:ごほうびで釣ると、逆に続かなくなる
#考え方
エドワード・デシとリチャード・ライアンの自己決定理論では、人が自発的に動き続けるには次の3つが必要だとされる。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 自律性 | 自分で決めている感覚 |
| 有能感 | できるようになっている感覚 |
| 関係性 | 人とのつながりの感覚 |
さらに、もともと自発的にやっていた行動に外部からの報酬や評価を持ち込むと、内発的な動機がかえって下がることが知られている(アンダーマイニング効果)。
#学ぶこと
評価と結びつけた瞬間、それは習慣ではなく作業になる。
#当社の仕組みへの反映
この教訓が、本制度で最も強く効いている。
| 反映先 | 内容 |
|---|---|
47 1-1章 | スタンプを評価に使わない/ランキングを作らない/教育担当は見に行かない |
70_なりたい姿の宣言と目標運用.md 7章 | なりたい姿を評価に使わない(同じ理由) |
47 5章 | やめてよいと明示(自律性を残す) |
| 見極めガイド(最初の3ヶ月) | 見極めを人事評価の根拠にしない |
#7. 教訓6:連続記録は効くが、扱いを間違えると人を追い詰める
#考え方
ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーのプロスペクト理論では、人は同じ大きさなら得る喜びより失う痛みを強く感じる(損失回避)。
連続日数(ストリーク)が続く理由はここにある。積み上げたものを失いたくないから続く。Duolingoをはじめとするアプリが使っているのは、この心理である。
#学ぶこと
よく効くが、そのままでは危ない。 「途切れたくないから休めない」「体調が悪くても無理をする」を生む。仕事に持ち込むなら、必ず安全弁が要る。
#当社の仕組みへの反映
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| 休んだ日は途切れない | 土日祝・有給・体調不良・子どもの事情はカウント対象外(47 3-1章) |
| 遡って押せる | 翌営業日まで |
| 途切れても何も起きない | 責めない・話題にしない(47 5章) |
| 半年後の点検項目 | 「途切れるのが嫌で無理をした人がいないか」を確認する(47 8章) |
「休むと損をする仕組み」は、55_自宅作業(在宅)の考え方とルール.md の方針と正面から矛盾する。 そこだけは絶対に妥協しない。
#8. 教訓7:「21日で習慣になる」は正しくない
#考え方
フィリッパ・ラリーら(ロンドン大学)の研究では、行動が自動化するまでにかかった期間は平均66日、個人差は18日から254日と幅が大きかった。よく言われる「21日」には十分な根拠がない。
#学ぶこと
- 2〜3ヶ月かかるのが普通。1ヶ月で身につかなくても異常ではない
- 人によって3倍以上の差がある。同じ期間で比べない
#当社の仕組みへの反映
- バッジの節目を 60営業日(約3ヶ月) に置き、ティーチング卒業と重ねた
- 育成の各段階を3ヶ月単位にしているのも同じ考え方
- 見極めガイド(最初の3ヶ月) で、伸び方の個人差を前提にしている
#9. 教訓8:習慣は「行動」より「自分をどう見ているか」で決まる
#考え方
ジェームズ・クリアは、目標ベース(「〇〇を達成する」)ではなくアイデンティティ・ベース(「〇〇する人になる」)で習慣を捉えるほうが定着すると述べている。
ウィリアム・ジェームズ(『心理学原理』)も、習慣を人格の基礎とみなし、行動の反復が人を形づくると論じた。
ただしジェームズは「一度も例外を作るな」という強い立場をとった。現代の研究では、例外があっても習慣形成は妨げられない(ラリーらの研究)ことが示されている。当社は現代側の立場を採る(途切れてよい)。
#学ぶこと
「報告を出す」ではなく、「詰まったことを言える人になる」と捉えたほうが続く。
#当社の仕組みへの反映
- フォロワーシップと教育範囲の基準 の仕上がり像を、「どうなっていたいか」の姿として描いた
70_なりたい姿の宣言と目標運用.mdで、本人自身になりたい姿を書いてもらう- スタンプも「作業をこなした印」ではなく、続けている自分が見える印として位置づける
#10. 『7つの習慣』との対応
スティーブン・R・コヴィー『7つの習慣』は、テクニックではなく人格を土台に置く点が特徴である。当社の制度は、結果としてこの構成に近い。
#10-1. コヴィーの「習慣」の定義
コヴィーは習慣を、次の3つが重なったものとして捉えている。
知識(何を・なぜ)
×
スキル(どうやって)
×
意欲(したい)
↓
習慣
3つが揃わないと習慣にならない。 当社の3段階は、これを順に埋めている。
| コヴィーの要素 | 当社で対応する段階 |
|---|---|
| スキル(どうやって) | ティーチング(型を教える) |
| 知識(何を・なぜ) | コーチング(目的と判断の理由を扱う) |
| 意欲(したい) | なりたい姿(本人の動機を起点にする) |
順序に注意する。 意欲から入ろうとすると、動けない人が出る。当社が「まず型」としているのは、スキルが先に立つほうが早く自信につながるためである。
#10-2. 7つの習慣と、当社の仕組み
| # | 習慣 | 当社での現れ方 |
|---|---|---|
| 1 | 主体的である | 指示待ちではなく、自分から関与する(05 フォロワーシップの2軸) |
| 2 | 終わりを思い描くことから始める | 1年後の仕上がり像を、入社1週目に渡す(05 5-4章) |
| 3 | 最優先事項を優先する | 月初に業務量を書き出し、締切から逆算して配置する(40 4章) |
| 4 | Win-Winを考える | 権利と義務をセットで示す(50 3章)/なりたい姿と会社の期待を重ねる(70 4章) |
| 5 | まず理解に徹し、そして理解される | コーチングで問いを投げ、20秒待つ(20 3-2章) |
| 6 | シナジーを創り出す | 異論を歓迎し、代案とセットで扱う(50 5章 文化4) |
| 7 | 刃を研ぐ | 月1つの「なりたい姿に近づく項目」/半年ごとの制度見直し |
#10-3. 特に押さえたい2つ
第3の習慣「最優先事項を優先する」
コヴィーは、緊急ではないが重要なこと(第II領域)に時間を割けるかが分かれ目だとした。教育と振り返りは、まさに第II領域である。放っておくと、必ず緊急の仕事に押し出される。
→ だから 面談・報告スケジュール で、曜日と時刻を固定枠として先に確保している。「空いたらやる」にしない。
インサイド・アウト(自分から始める)
コヴィーは、他者や環境を変える前にまず自分からという原則を繰り返し説いた。
→ 47 7章で「まず経営者・教育担当が1ヶ月続けてから、全社員に紹介する」としているのはこのためである。上にいる人が続いていない仕組みは、下でも続かない。
#11. 面談で使える言葉
そのまま口に出して使える形にしておく。
| 場面 | 言葉 |
|---|---|
| 続かないと落ち込んでいる | 「続かないのは意志の問題ではありません。続く形になっていないだけです。一緒に小さくしましょう」 |
| 1ヶ月で身についていない | 「習慣になるまで平均で2ヶ月ちょっと、人によっては半年以上かかると言われています。まだ全然普通です」 |
| 途切れてしまった | 「また今日から押せば大丈夫です。 途切れても何も起きません」 |
| 休むのをためらっている | 「休んだ日は途切れない設計にしてあります。 続けるために無理をするのは、本末転倒なので」 |
| やる気が出ないと言われた | 「やる気が出てから続くのではなくて、続いているのが見えるとやる気が出るそうです。順番が逆なんですよ」 |
| 目標を立てるとき | 「『報告を出す』より『詰まったことを言える人になる』のほうが続きやすいそうです」 |
#12. 出典と扱いの注意
本文書は、各理論の要点を当社向けに要約したものである。原典の言い回しをそのまま引用してはいない。
| 人物・著作 | 分野 |
|---|---|
| アリストテレス『ニコマコス倫理学』 | 習慣(ヘクシス)と徳 |
| ウィリアム・ジェームズ『心理学原理』 | 習慣と人格 |
| スティーブン・R・コヴィー『7つの習慣』 | 人格主義・第II領域・インサイド・アウト |
| B.J.フォッグ(スタンフォード大学) | B=MAP モデル、Tiny Habits |
| ジェームズ・クリア『Atomic Habits』 | 習慣の4法則、アイデンティティ・ベース |
| チャールズ・デュヒッグ『習慣の力』 | 習慣ループ(きっかけ→ルーチン→報酬) |
| エドワード・デシ/リチャード・ライアン | 自己決定理論、アンダーマイニング効果 |
| アルバート・バンデューラ | 自己効力感 |
| カール・ワイク | スモール・ウィンズ |
| ピーター・ゴルヴィツァー | 実行意図(if-then プランニング) |
| ダニエル・カーネマン/エイモス・トベルスキー | プロスペクト理論、損失回避 |
| フィリッパ・ラリー ら(ロンドン大学) | 習慣形成に要する期間(平均66日) |
#12-1. 引用するときの注意
- 社内資料や顧客向け資料で使う場合、書籍本文の長い引用は避け、要約と出典表示にとどめる
- 「アリストテレスの言葉」として広く流通している一節には、後世の要約が含まれる(2章参照)。断定的に引用しない
- 理論はあくまで設計の根拠であり、権威づけのために使わない
行動規範:権利と義務のバランス
#1. この文書の位置づけ
当社は自由度の高い働き方を大事にしてきた。その自由を維持していくために、権利と義務の関係をはっきりさせておく必要がある。ここで扱うのはその内容である。
これまで当社は、経験と暗黙の了解で動いてきた。人数が少ないうちはそれで回る。しかし人が増えると機能しなくなる。言語化されていないルールは、新しく入った人には存在しないのと同じだからである。
本文書は、罰則を定めるものではない。「何を守れば、自由にやってよいのか」を明示するものである。守る側にとっては、判断の拠り所が増えるということでもある。
誰かの働き方を正すために作ったものではない。
これから人が増えても同じように働ける状態をつくるためのものである。
#2. 自由の定義
当社は自由な社風を維持する。ただし、次を明確にしておく。
自由とは「何をしてもよい」ことではない。
「果たすべきことを果たした人が、やり方を選べる」状態を指す。
この定義から、次が導かれる。
| 命題 | 内容 |
|---|---|
| 自由は前提ではなく、結果である | 義務を果たしている人に、裁量が渡される |
| 自由は一律ではない | 果たしている範囲に応じて、選べる範囲が変わる |
| 自由は取り消されうる | 義務が果たされなくなれば、裁量は一時的に戻る |
| 自由は罰ではなく設計である | 裁量を戻すのは制裁ではなく、支援が必要な状態だという判断である |
最後の1点を必ず伝える。 裁量を戻すことを罰として運用すると、社内に恐怖が生まれ、報告が出てこなくなる。制度全体が壊れる。
#3. 権利と義務の対応表
権利は、対応する義務とセットで示す。 片方だけを掲げない。
| 権利(選べること) | 対応する義務(果たすこと) |
|---|---|
| 仕事の進め方を自分で決められる | 決めた進め方を説明でき、期限内に完了させる |
| 働く時間を柔軟に調整できる | 予定を事前に共有し、連絡がつく状態を保つ |
| 働く場所を選べる(可能な業務) | 成果と進捗が、離れていても見える状態にする / 基本は出社。自宅作業の条件は 55_自宅作業(在宅)の考え方とルール.md |
| 意見を述べ、異論を出せる | 代案を添える。決まったあとは決定に従う |
| 失敗しても責められない | 早く報告する。隠さない。同じ失敗を繰り返さない |
| やりたい仕事に手を挙げられる | 今の担当を果たしている |
| 質問し、教えてもらえる | 自分で調べ、AIに聞いてから持ち込む(30分ルール) |
| 休みを取れる | 事前に申告し、その期間の業務を組み替えてから休む |
#3-1. この表の使い方
- 入社1週目に、教育担当と本人で読み合わせる(渡して終わりにしない)
- 権利を主張する場面が出たとき、対応する義務が果たされているかを一緒に確認する
- 義務が果たされていない場合、権利を否定するのではなく、「まずこちらを果たしましょう」と順序を示す
#4. 全社員が守る基本ルール
新人だけに課さない。 既存社員が守っていないルールは、新人にも定着しない。
#4-1. 時間
| ルール | 内容 |
|---|---|
| 始業 | 定刻に業務を開始できる状態にしておく |
| 遅刻・欠勤 | 始業前に連絡する。事後連絡にしない |
| 会議 | 定刻に開始する。遅れる場合は事前に伝える |
| 締切 | 守る。守れない見込みが立った時点で、守れなくなる前に伝える |
#4-2. 連絡・報告
| ルール | 内容 |
|---|---|
| 報告の3軸 | 予定・現状・完了を、決められた頻度で提出する(40_報告運用ルール.md) |
| 悪い報告 | 早く出す。早く出した人を責めない |
| 返信 | 業務時間内に受けた連絡には、業務時間内に一次返信する(内容は後でもよい) |
| 不在 | 離席・外出・休暇は、事前に分かる状態にする |
#4-3. 仕事の進め方
| ルール | 内容 |
|---|---|
| 完了の定義 | 「作業した」ではなく「次に渡せる状態」を完了とする |
| 手順 | 決まっている手順は守る。変えたい場合は、変える前に提起する |
| 質問 | 自分で調べる → AIに聞く → 人に聞く(30分ルール) |
| 記録 | 決めたこと・教わったことは記録に残す |
| 保存場所 | 決められた場所に保存する。個人の手元に留めない |
#4-4. 人との関わり
| ルール | 内容 |
|---|---|
| 異論 | 述べてよい。ただし代案を添える。決まったら従う |
| 陰口 | 本人のいないところで不満を言わない。言うべきことは本人か経営者に言う |
| 指摘 | 人格ではなく、行動と事実に対して行う |
| 相手の時間 | 質問・相談の前に、相手が手を止められる状況かを確認する |
| 助け合い | 明らかに困っている人がいたら、声をかける |
#5. 当社の文化(言語化)
ルールとは別に、判断に迷ったときの拠り所となる価値観を言語化する。ルールは「やること」、文化は「迷ったときの選び方」である。
| # | 文化 | 意味するところ | 迷ったときの判断 |
|---|---|---|---|
| 1 | 悪い情報ほど早く | 遅れ・失敗・不都合は、早く出すほど価値がある | 「言いにくいこと」は、言いにくいと感じた時点で出す |
| 2 | やり方は自由、目的は共有 | 手段は任せる。ただし何のためかは全員が同じ理解を持つ | 迷ったら「これは何のためか」に戻る |
| 3 | 考えてから聞く、抱えずに聞く | 自分で考える。ただし抱え込まない | 30分やって出口が見えなければ、持っていく |
| 4 | 決まるまでは自由に、決まったら揃える | 議論は対等。決定後は全員で実行する | 反対でも、決まったことは実行する。再提起は次の機会に |
| 5 | 人ではなく、仕組みを直す | 失敗は、次に同じ失敗が起きない仕組みに変える | 「気をつける」で終わらせない |
| 6 | できないことは、できないと言う | 見栄を張らない。分からないことは分からないと言う | 分からないまま進めると、あとで大きな手戻りになる |
この6項目は、増やさない。 増やすほど覚えられず、機能しなくなる。運用して合わないものが出たら、差し替える。
#6. 文化を定着させる方法
言語化しただけでは定着しない。定着は、日常の反応の積み重ねで決まる。
| 定着させたいこと | そのために日常でやること |
|---|---|
| 悪い情報を早く出す | 早い報告に「ありがとう」と返す。遅れの報告を叱らない |
| 異論を出す | 異論が出たら、まず「言ってくれてありがとう」。採否はその後 |
| 抱え込まない | 30分ルールを教育担当自身も守る(自分も人に聞く姿を見せる) |
| 決まったら揃える | 経営者自身が、決まったことを覆さない |
| 仕組みを直す | 失敗の振り返りを、必ず仕組みの変更まで持っていく |
| 分からないと言う | 教育担当自身が「これは分からない、調べます」と言う |
すべての項目に共通するのは、「上にいる人が先にやる」ことである。 文化は、下から定着することはない。
#6-1. 最も壊れやすい瞬間
次の場面で、文化は一瞬で壊れる。ここだけは絶対に守ること。
| 場面 | 壊れる行動 | 守るべき行動 |
|---|---|---|
| 遅れの報告を受けたとき | 「なんでもっと早く言わないの」と反応する | 「早く言ってくれてよかった」と返し、対処の話に移る |
| 異論を出されたとき | 表情や語気で不快を示す | 「なるほど」と一度受け取る。反論はその後 |
| 忙しいときに質問されたとき | 「今忙しい」とだけ返す | 「15時なら空くので、そこで聞きます」と時間を示す |
| 自分(上位者)が締切を破ったとき | 説明せずに流す | 自分から遅れを申告する。ルールは自分にも適用する |
#7. ルールが守られないときの扱い
罰則ではなく、段階的な確認として運用する。
| 段階 | 状況 | 対応 |
|---|---|---|
| 1 | 1回目 | その場で事実を伝える。「〜がありました」と行動を指摘する |
| 2 | 繰り返す | 本人ではなく、まず原因を確認する。 分かっていないのか、できない事情があるのか |
| 3 | 原因が「分かっていない」 | 教育側の問題。改めて説明し、記録に残す |
| 4 | 原因が「事情がある」 | 事情を踏まえて、ルールの適用を調整する(例外を明示的に認める) |
| 5 | 原因が「守る意思がない」 | 権利と義務の対応表(3章)に戻り、裁量を一時的に戻す |
| 6 | 改善しない | 経営者と本人で協議する |
段階2を飛ばさない。 いきなり指導に入ると、事情を抱えている人を追い詰める。
#7-1. 例外を認める場合
事情があってルールを守れない場合、例外を明示的に認める。黙認しない。
| 黙認 | 明示的な例外 |
|---|---|
| 「あの人は遅れても何も言われない」と周囲に見える | 「〇〇さんは、この期間はこの条件で運用します」と共有する |
| 不公平感が生まれる | 理由が分かるので、納得が得られる |
| 他の人もルールを守らなくなる | ルール自体は維持される |
事情の詳細(健康・家庭など)は共有しない。運用がどう変わるかだけを共有する。
#8. 既存社員への導入について
本文書は全社員が対象である。新人にだけ課すと、制度は必ず失敗する。
導入時は、次の順で進める。
| 順 | やること |
|---|---|
| 1 | 経営者が、この文書を作った理由を自分の言葉で説明する |
| 2 | 全員で読み合わせる(配布だけにしない) |
| 3 | 「守れそうにない」項目があれば、その場で出してもらう |
| 4 | 出た意見を反映して、実際に守れる内容に調整する |
| 5 | 調整後の版を確定し、運用を開始する |
3と4を必ず行う。 守れないルールを掲げると、他のルールまで守られなくなる。最初は少なく、確実に守れるものから始めるほうがよい。
#8-1. 説明のときに伝えること
伝え方の例:「これは、誰かを縛るために作ったものではありません。人が増えていく中で、『言わなくても分かるはず』が通じなくなってきました。何を守れば自由にやっていいのかを、はっきりさせるための文書です。守れそうにないものがあれば、今この場で言ってください。直します」
#9. 見直し
| タイミング | やること |
|---|---|
| 半年に1回 | 守られていない項目を洗い出す。削るか、守れる形に変える |
| 新しい人が入るたび | 読み合わせを行い、伝わりにくかった箇所を修正する |
| ルールで解決した失敗があったとき | 有効だった項目として記録する |
項目を増やすより、機能していない項目を削ることを優先する。
自宅作業(在宅)の考え方とルール
この文書の目的は、禁止することではありません。
自宅作業を認める条件と、なぜ出社を基本とするのかを、理由から説明することが目的です。
ルールだけを渡すと、「認めてもらえない」か「いつでも在宅でよい」のどちらかに誤解されます。
#1. 基本方針
| # | 方針 |
|---|---|
| 1 | 基本は出社とする |
| 2 | 子どもの急な事情など、やむを得ない場合は自宅作業を認める |
| 3 | ただし、自宅作業が成立するには2つの前提がある(4章) |
| 4 | 前提が揃わない場合は、無理に働かず休むほうがよい |
4を明記しておくことが重要です。 自宅作業を「休まずに済む手段」として運用すると、体調が悪くても子どもが熱を出しても働くことが当たり前になります。それは会社が望む状態ではありません。
#2. なぜ出社を基本とするのか
「決まりだから」では納得できない。 実際に何が変わるのかを説明する。
#2-1. 10名以下の組織で、出社が効いている5つのこと
| # | 出社で起きていること | 在宅だと何が起きるか |
|---|---|---|
| 1 | すれ違いざまの確認 「これ、こういう理解で合ってますか」が5秒で済む | わざわざ連絡する手間が発生し、確認しないまま進めてしまう |
| 2 | 詰まりが見える 手が止まっている、表情が曇っている、が周りから分かる | 本人が言い出すまで、誰も気づけない |
| 3 | 雑談から出る情報 お客様の様子、進行中の話、何となくの気配が共有される | 決まったことしか伝わらない。背景が抜ける |
| 4 | 教える/教わる速度 見せる・一緒にやるが、その場でできる | 画面共有の準備が要る。手を取って教えられない |
| 5 | 聞ける空気 「今いいですか」が言いやすい状態は、同じ場にいることで作られる | 相手の状況が見えず、聞くこと自体のハードルが上がる |
特に2と5が重要です。 本制度は「詰まりを早く出すこと」を軸にしています(30分ルール・詰まりの報告義務)。在宅では、この軸を支える環境が弱くなります。
#2-2. 誤解しないでほしいこと
| よくある誤解 | 実際 |
|---|---|
| 在宅だとサボると思われている | 思っていません。 上記5点は、真面目に働いていても起きることです |
| 成果さえ出せば場所は関係ない | 個人の成果はそうです。ただし組織としての速度と情報共有は別問題です |
| 出社は昔からの慣習 | 慣習ではなく、10名以下という規模の事情です。人が少ないぶん、1人分の情報が途切れる影響が大きくなります |
| 在宅を申請すると評価が下がる | 下がりません。 申請したこと自体を不利に扱いません(7-3章) |
#3. 自宅作業を認めるケース
次の場合、自宅作業を認めます。遠慮せず申し出てください。
| 区分 | 具体例 |
|---|---|
| 子どもの急な事情 | 発熱・急病、学級閉鎖・休園、保育園等からの呼び出し、急な学校行事 |
| 家族の介護・看護 | 急な体調不良への対応が必要な場合 |
| 本人の体調 | 出社は難しいが、業務は可能な状態 |
| 交通機関・天候 | 運休、災害警報など |
| その他 | 事前に相談のうえ、教育担当・経営者が認めた場合 |
理由の詳細を説明する必要はありません。 区分と期間だけで十分です(templates/05_イレギュラー申請シート.md)。
#4. 自宅作業が成立する2つの前提
自宅作業は、次の両方が揃って初めて成立します。片方だけでは成立しません。
前提① 前提②
自分のリソースを 今すぐ進めるべき
自分で処理できる + 業務が明確にある
(Lv.2以上) (納期が迫っている等)
↓ ↓
└────────┬───────┘
↓
自宅作業が成立する
#4-1. 前提①:自分のリソースを自分で処理できるレベル
「Lv.2(自律遂行)以上」であることが条件です(フォロワーシップと教育範囲の基準 5-1章)。
具体的には、次がすべてできている状態です。
- 指示がなくても、その日やることの優先順位を自分で決められる
- 月の業務量を自分で把握し、予定どおり進められる
- 詰まったとき、30分で見切りをつけて自分から連絡できる
- 完了の定義(次に渡せる状態)を、自分で判断できる
- 遅れそうなとき、遅れる前に自分から伝えられる
なぜこれが条件になるのか
在宅では、誰も声をかけてくれません。「詰まっていることに、自分で気づいて、自分から出す」ことが全部必要になります。 これができない段階で在宅にすると、一日中止まったまま誰も気づかない、という事態が起きます。
これは能力を疑っているのではなく、在宅という環境が要求する水準の話です。
#4-2. 前提②:今すぐ進めるべき業務が明確にあること
自宅作業は、「休むと間に合わないものがあるから、場所を変えて進める」という手段です。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 納期が迫っている業務がある | → 自宅作業で進める |
| お客様を待たせている案件がある | → 自宅作業で進める |
| 自分の完了が、他の人の着手条件になっている | → 自宅作業で進める |
| 急ぎの業務がなく、在宅でできることも特にない | → 休んでください(4-3章) |
| 在宅ではできない業務しか残っていない | → 休むか、予定を組み替える |
「何をやるか」が曖昧なまま在宅にしない。 申請時に、その日進める業務を具体的に書いてもらいます。
#4-3. 前提が揃わないときは、休む
これが最も伝えたい点です。
急ぎの仕事がないのに、子どもの看病をしながら無理に働く必要はありません。中途半端に働くと、看病も仕事もどちらも中途半端になります。
休むことは、権利であると同時に、正しい判断です。
休んで、翌日以降に予定を組み替えるほうが、結果的に速く終わります。
休む場合は templates/05_イレギュラー申請シート.md で、その週の予定の組み替えを一緒に決めます。
#5. 育成段階別の可否
前提①(Lv.2以上)と直結するため、育成段階によって扱いが変わります。
| 段階 | 目安レベル | 自宅作業 | 理由 |
|---|---|---|---|
| ティーチング期(〜3ヶ月) | Lv.0〜1 | 原則不可 | 「見せる・一緒にやる」が成立しない。詰まりを自分で出せる段階にまだない |
| コーチング期(〜6ヶ月) | Lv.1〜3 | 条件付きで可 | 前提①のチェックリスト5項目を満たしていれば可。教育担当が個別に判断する |
| メンタリング期(6ヶ月〜) | Lv.3 | 可 | 前提②を満たせば、都度の判断は本人に任せる |
| 既存社員 | Lv.3相当 | 可 | 同上 |
#5-1. ティーチング期に事情が発生した場合
「原則不可」ですが、出社できないなら休んでください。 無理に在宅で作業させることはしません。
その日教える予定だった内容は、翌日以降に振り替えます。2週間以上の中断が生じた場合は、育成段階の期間を中断日数分だけ後ろ倒しします(人材育成制度 全体設計書 9章)。遅れを本人の責任にしません。
ただし、次は在宅でも可能なため、状況に応じて相談してください。
- 手順書の清書(教わった内容をまとめる)
- 資料を読む、調べる
- 週次報告シートの記入
#5-2. コーチング期の判断
教育担当が、前提①のチェックリスト(4-1章)で判断します。判断結果と理由を本人に伝えてください。
伝え方の例:「今の段階だと、詰まったときに自分から声を上げるまでが少し長いので、在宅だと一日止まってしまう心配があります。今回は休むか、半日だけ出社にしませんか」
#6. 手続き
#6-1. 事前にわかっている場合
| いつ | やること |
|---|---|
| 前週まで | templates/05_イレギュラー申請シート.md を提出する |
| 提出時 | その日進める業務(前提②)を具体的に書く |
| 教育担当 | 前提①②を確認し、可否と対応を回答する |
#6-2. 当日の急な事情(子どもの発熱など)
シートは後回しでかまいません。 まず連絡してください。
| 順 | やること | 期限 |
|---|---|---|
| 1 | 始業前に連絡する(電話・チャットいずれでも可) | 始業時刻まで |
| 2 | 「在宅で進めたいか/休みたいか」の希望を伝える | 同上 |
| 3 | その日進める業務を、教育担当と5分で決める | 始業後30分以内 |
| 4 | シートは、落ち着いてから提出する | 当日中〜翌営業日 |
手続きより、連絡が先です。 子どもの看病をしながらシートを書かせるようなことはしません。
#7. 自宅作業の日の進め方
出社時と違い、周りから状況が見えません。 その分だけ、見えるようにする手間を本人が負担します。
#7-1. 守ること
| # | やること | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 始業時に「開始します/今日やること」を連絡する | その日の稼働が周りに分かる |
| 2 | 終業時に「完了したこと/残ったこと」を連絡する | 進捗が見える |
| 3 | 連絡がつく状態を保つ(応答は業務時間内でよい) | 急ぎの確認が止まらない |
| 4 | 中座する場合は伝える(通院・送迎など) | 応答がない理由が分かる |
| 5 | 詰まったら30分ルールを守る(出社時より厳格に) | 在宅では誰も気づけない |
| 6 | 顧客情報・機密情報の取り扱いに注意する | AIメンタリング 運用ルール 3-3章に準じる |
#7-2. 会社が約束すること
| # | 会社側がやること |
|---|---|
| 1 | 申請を出したことを、評価上不利に扱わない |
| 2 | 在宅の日でも、必要な情報を届ける(会議の内容、決まったこと) |
| 3 | その日の予定を、教育担当が引き取るか再配置する |
| 4 | 事情の詳細(家庭・健康)を、周囲に共有しない。運用がどう変わるかだけを共有する |
| 5 | 在宅が続く場合、担当業務の組み替えを一緒に検討する |
2を守れないと、在宅の人が情報から切り離されます。 これは会社側の責任です。
#7-3. 申請を不利に扱わない
申請回数を記録して評価に使うことはしません。
子どもがいる社員は、構造的に急な事情が発生しやすくなります。これを不利に扱うと、次が起きます。
- 無理をして出社し、子どもの体調が悪化する
- 申請せず黙って休む/連絡が遅れる
- 定着しない
申請が出てくる状態のほうが、組織にとって健全です。
#8. 面談・報告の扱い
自宅作業の日に面談枠がある場合の扱いです(面談・報告スケジュール)。
| 枠 | 在宅時の扱い |
|---|---|
| 日次の完了報告 | そのまま実施(チャット等で可) |
| 週次報告の提出 | そのまま実施(提出物なので影響なし) |
| 週次面談(金 16:30) | オンラインで実施。やむを得ない場合のみ、その週のうちに代替日を設定 |
| コーチング半日(水 13:00〜) | 原則、代替日を設定する。 伴走(90分の同席)が在宅では成立しないため |
| 隔週1on1 | オンラインで実施可 |
| 月次予定づくり・月末振り返り | オンラインで実施可 |
コーチング半日だけは、オンラインで代替しないでください。 「横で見て、口を挟まない」が中核であり、画面越しでは機能しません。その週のうちに別日を設定します。
#9. 本人に伝えるときの言葉
制度として渡すだけでなく、入社1週目の行動規範の読み合わせで、口頭でも伝えてください。
「うちは基本は出社です。理由は、10名以下だと、すれ違いざまの確認とか、誰かが詰まってるのが見える、といったことで回っている部分が大きいからです。
ただ、お子さんの急な発熱とか、やむを得ないことは必ず起きます。そのときは在宅で進めてもらってかまいません。遠慮しないでください。申請したことで評価が下がることはありません。
ひとつだけ理解しておいてほしいのは、在宅は『自分で自分の仕事を回せる状態』が前提になる、ということです。在宅だと誰も声をかけてくれません。詰まったら自分から出す必要があります。だから最初の3ヶ月は、原則出社でお願いしています。できないと思っているのではなく、環境の話です。
それと、急ぎの仕事がないのに無理に在宅で働く必要はありません。そういうときは、休んでください。看病しながら中途半端に働くより、そのほうが結果的に速いです」
#10. 就業規則との整合
本文書は育成・業務運用上の考え方を定めたものです。次については、就業規則および法令との整合を確認してください。
| 確認項目 | 確認先 |
|---|---|
| 在宅勤務規程の有無、労働時間の取り扱い | 就業規則 |
| 子の看護休暇・介護休暇との関係 | 育児介護休業法/就業規則 |
| 通信費・光熱費等の費用負担 | 就業規則・労使の取り決め |
| 労災の適用範囲 | 必要に応じて社会保険労務士等 |
本文書の運用が、法令上の休暇取得を妨げるものであってはなりません。 子の看護休暇等を取得できる場合、「在宅で働く」を強制することはありません。
#11. 見直し
| タイミング | やること |
|---|---|
| 半年ごと(4月・10月) | 在宅の申請件数と、実際に困ったことを確認する |
| 在宅が定常化した場合 | 「基本は出社」の前提自体を見直す |
| 社員数が増えた場合 | 出社が効いている5点(2-1章)が変わるため、前提を再検討する |
この文書は、10名以下という規模を前提にしています。 規模が変われば、判断も変わります。
#12. 関連文書
| 文書 | 関係 |
|---|---|
50_行動規範_権利と義務.md | 「働く場所を選べる」権利と、対応する義務(成果と進捗が離れていても見える状態にする) |
| フォロワーシップと教育範囲の基準 | 前提①のLv.2(自律遂行)の定義 |
| 面談・報告スケジュール | 在宅時の面談の扱い |
40_報告運用ルール.md | 完了の定義、報告の3軸 |
templates/05_イレギュラー申請シート.md | 申請様式 |
勤怠・申請の運用(マネーフォワード)
#1. どこで何をするか
当社では、勤怠と申請をマネーフォワード(以下マネフォ)で行います。
| やること | 使うもの |
|---|---|
| 出勤・退勤の打刻 | マネフォ |
| 休暇の申請(有給・特別休暇など) | マネフォ |
| 残業・時間外の申請 | マネフォ |
| 経費の精算 | マネフォ |
| 遅刻・欠勤・当日の連絡 | まずチャット等で連絡 → 後からマネフォで申請 |
| その日の業務をどう組み替えるか | 教育担当と口頭・チャットで5分 |
#1-1. マネフォと制度の役割分担
ここを混同すると二重作業になります。目的が違います。
| マネフォ | 育成制度側(報告・面談) | |
|---|---|---|
| 何のため | 労務上の記録(勤怠・休暇・経費の正式な記録) | 業務の進行管理(何が進み、何が詰まっているか) |
| 誰が見る | 会社・労務担当 | 教育担当 |
| 記録されるもの | 何時から何時まで働いたか、休んだか | 何が完了し、何に詰まったか |
勤怠はマネフォ、業務の中身は報告シート。 同じことを二度書く必要はありません。
#2. 毎日の使い方
| タイミング | やること |
|---|---|
| 業務開始時 | マネフォで出勤打刻 |
| 休憩 | 会社の運用に従って記録(記録方法は入社時に案内します) |
| 業務終了時 | マネフォで退勤打刻 → そのあと終業前の5分(報告) |
打刻 → 報告の順番にすると忘れにくくなります。「退勤を押したら5分書く」をセットにしてください(48_習慣化の心理学_背景となる考え方.md の「きっかけを行動に結びつける」)。
#2-1. 打刻を忘れたとき
申告すれば直せます。隠さないでください。
- 気づいた時点で、マネフォから打刻修正(勤怠修正)を申請する
- 実際の時刻を正直に入力する
- 承認者が確認して承認する
打刻漏れそのものを責めることはありません。申告が遅れるほうが困ります(締め後だと修正の手間が増えるため)。
#3. 申請のワークフロー
① 本人がマネフォで申請
↓
② 承認者が内容を確認
↓
③ 承認 → 勤怠に反映
↓
④ 月末の締めで確定
承認者と締め日は、入社時に案内します。 分からなくなったら遠慮なく聞いてください。
#3-1. いつ出すか
| 申請 | 出すタイミング |
|---|---|
| 有給・事前にわかっている休暇 | 前週まで(55 6-1章と同じ) |
| 当日の欠勤 | 始業前に連絡 → その日のうち〜翌営業日に申請 |
| 残業・時間外 | 会社の運用に従う(事前申請か事後申請かは、入社時に案内します) |
| 打刻の修正 | 気づいた時点ですぐ |
| 経費精算 | 締め日まで |
「連絡」と「申請」は別物です。 当日の急な事情では、連絡が先、申請は後でかまいません。
#4. 場面別の手順
#4-1. 子どもが熱を出して、当日休む
| 順 | やること | どこで |
|---|---|---|
| 1 | 始業前に連絡する | チャット・電話 |
| 2 | 「休みたい/在宅で進めたい」の希望を伝える | 同上 |
| 3 | その日の業務をどうするか、5分で決める | 教育担当と口頭 |
| 4 | 落ち着いてから休暇を申請する | マネフォ |
手続きより連絡が先です。 看病しながらマネフォを操作する必要はありません(55 6-2章)。
#4-2. 子どもの事情で、在宅にする
| 順 | やること | どこで |
|---|---|---|
| 1 | 始業前に連絡する | チャット |
| 2 | その日進める業務を決める(55 4章の前提②) | 教育担当と口頭 |
| 3 | 通常どおり打刻する(在宅でも勤務は勤務) | マネフォ |
| 4 | 始業時「開始します/今日やること」を連絡 | チャット |
| 5 | 終業時「完了/残り」を連絡 → 退勤打刻 → 報告 | チャット+マネフォ |
在宅の日も打刻します。 休暇申請ではありません。
#4-3. 有給を取る
| 順 | やること |
|---|---|
| 1 | 前週までにマネフォで申請 |
| 2 | その週の予定を組み替えて提出(40_報告運用ルール.md 月初の予定を修正) |
| 3 | 自分の完了が誰かの着手条件になっていれば、先に伝える |
有給の取得に理由の説明は要りません。 業務の組み替えだけ済ませてください。
#4-4. 通院・子どもの送迎などで中抜けする
| 順 | やること |
|---|---|
| 1 | 事前に分かっていれば、前日までに伝える |
| 2 | 会社の運用に従って記録する(中抜けの扱いは入社時に案内します) |
| 3 | 中座することをチャットで伝える(在宅時は特に) |
#5. 育成段階との関係
勤怠のルールは、育成段階に関係なく全員同じです。 ただし、次だけは段階で変わります。
| 項目 | 扱い |
|---|---|
| 打刻・休暇申請 | 全員同じ。 入社初日から |
| 在宅で働くかどうか | 段階により異なる(55 5章。ティーチング期は原則出社) |
| 業務の組み替えを誰が考えるか | ティーチング期は教育担当、コーチング期以降は本人が案を出す |
入社1週目に、マネフォの使い方を必ず案内してください(ティーチング カリキュラム 4-1章の2日目「業務環境のセットアップ」に含めます)。
#6. 教育担当・承認者がやること
| やること | やらないこと |
|---|---|
| 申請が来たら、その日のうちに承認する | 承認を溜める(本人が締めに間に合わなくなる) |
| 打刻漏れの申告を、そのまま受け取る | 打刻漏れを責める |
| 締め前に未申請がないか声をかける | 申請回数を記録して評価に使う |
| 休暇申請の理由を聞かない | 「なぜ休むのか」を確認する |
申請を出したことを不利に扱いません(55 7-3章)。承認が遅いと、本人は次から出しにくくなります。
#7. 締めと確認
| いつ | やること | 誰が |
|---|---|---|
| 月末(締め日) | 自分の勤怠に漏れがないか確認して提出 | 本人 |
| 締め後 | 内容を確認して承認・確定 | 承認者 |
締め日は入社時に案内します。 月末の振り返り(40_報告運用ルール.md 7章)と近い時期になるため、同じ日にまとめて済ませると楽です。
#8. 困ったとき
| 状況 | どうするか |
|---|---|
| 打刻を忘れた | マネフォから修正申請。責められません |
| 操作が分からない | まずマネフォのヘルプを見る → 解決しなければ人に聞く(30分ルール) |
| ログインできない | すぐ人に聞いてください(30分ルールの対象外。業務が止まるため) |
| 申請が承認されない | 承認者に直接確認してよい |
| 自分の勤怠が実態と違う | 締め前に申し出る。締め後でも申し出てよい |
ID・パスワードは、AIに入力しないでください(AIメンタリング 運用ルール 3-3章)。
#9. 会社ごとに決めていること
次は入社時に案内します。分からなくなったら、いつでも聞いてください。
- 使用しているマネーフォワードのサービス構成
- ログインURL・アカウントの発行方法
- 承認者は誰か
- 締め日はいつか
- 休憩・中抜けの記録方法
- 残業申請は事前か事後か
- 経費精算の締めと精算日
#10. 関連文書
| 文書 | 関係 |
|---|---|
55_自宅作業(在宅)の考え方とルール.md | 在宅・休暇の判断基準。連絡が先、申請が後 |
40_報告運用ルール.md | 業務の報告。勤怠とは別物 |
50_行動規範_権利と義務.md | 遅刻・欠勤は始業前に連絡 |
templates/05_イレギュラー申請シート.md | 業務の組み替えが複雑なときに使う(通常はマネフォ+口頭で十分) |
なりたい姿の宣言と目標運用
#1. なぜこの仕組みが必要か
フォロワーシップと教育範囲の基準 では、会社が保証する仕上がりを Lv.3までと定めた。ではLv.4(価値創出)へ向かう力は、どこから来るのか。
会社が与えるものではなく、本人の「こうなりたい」から来る。
会社が用意したゴールだけで走らせると、次が起きる。
| 会社のゴールだけの場合 | 本人のなりたい姿と接続した場合 |
|---|---|
| 「言われたから」やる | 「自分のためになるから」やる |
| Lv.3に届いた時点で止まる | Lv.3の先へ自分で進む |
| 指摘が「否定」に聞こえる | 指摘が「近道の情報」に聞こえる |
| 頑張る理由を会社が供給し続ける必要がある | 本人の中に燃料がある |
フォロワーシップの2軸でいえば、「関与する力」を伸ばす中核がここにある(フォロワーシップと教育範囲の基準 3章)。考える力は問いかけで伸ばせるが、関与する力は、本人の動機に触れないと伸びない。
#2. 仕組みの全体像
【入社1週目】なりたい姿を書く(本人)
↓
【入社2週目】教育担当と読み合わせ、会社の期待と重ねる
↓
【毎月】月初の予定づくりのとき、なりたい姿に近づく項目を1つ入れる
↓
【3ヶ月・6ヶ月・1年】見直す。変わってよい
↓
【1年目以降】半年ごとに更新し、業務の割り当てに反映する
様式は templates/08_なりたい姿シート.md を使う。
#3. 「なりたい姿」の書き方
#3-1. 3つの時間軸で書く
1つの問いでは書けない。時間軸を分けると書きやすくなる。
| 時間軸 | 問い | 期待する粒度 |
|---|---|---|
| 1年後 | どんな仕事を、どのくらい任されている状態でいたいか | 具体的。業務名レベル |
| 3年後 | 何ができる人だと言われていたいか | 中程度。役割・強みレベル |
| その先 | 仕事を通じて、どうなっていたいか | 曖昧でよい。方向だけ |
1年後だけは具体的に書かせる。 「成長したい」「役に立ちたい」では、日々の行動に落ちない。
| ❌ 落ちない書き方 | ✅ 落ちる書き方 |
|---|---|
| 成長したい | 〇〇の案件を、一人で最初から最後まで回せるようになりたい |
| 役に立ちたい | 誰かの確認がなくても、△△の判断を自分でできるようになりたい |
| 頑張ります | 手順書を見なくても、□□を30分で終えられるようになりたい |
#3-2. 「特にない」場合の扱い
新人の多くは、なりたい姿を持っていない。 これは問題ではない。無理に書かせると、その場しのぎの嘘の目標が生まれ、以後の対話がすべて空回りする。
「特にない」場合は、次の順で引き出す。
| 順 | 問い | ねらい |
|---|---|---|
| 1 | これまでで、やっていて面白かったことは何ですか(仕事以外でもよい) | 動機の方向を探る |
| 2 | 逆に、これはしんどいと感じたことは何ですか | 避けたい方向を明確にする |
| 3 | 当社の仕事の中で、少しでも興味が湧いたものはありますか | 現在地と接続する |
| 4 | 1年後、「これができるようになっていたら嬉しい」と思うものはありますか | 小さくてよいので具体化する |
| 5 | 逆に、「1年後もこれができていなかったら嫌だな」と思うものはありますか | 避けたい姿から入る |
5が効くことが多い。 「なりたい姿」は出てこなくても、「なりたくない姿」は出てくる人が多い。それも立派な出発点である。
それでも出てこない場合は、保留にする。 「今は無理に決めなくていいです。3ヶ月後にまた聞きます」と伝え、シートは空欄のまま置く。3ヶ月やってみて初めて見えることは多い。
#3-3. 内容に口を出さない
書かれた内容を、教育担当が評価・否定しない。
| ❌ やってはいけない | 理由 |
|---|---|
| 「それはうちでは無理だね」 | 二度と本音を書かなくなる |
| 「もっと現実的なことを書いて」 | 会社が望む答えを書くようになる |
| 「そのためにはまず〜すべき」と説教する | 宣言の場が、指導の場に変わる |
| 会社の方針に合わせて書き直させる | 本人の動機ではなくなり、燃料にならない |
やることは、聞くことと、重ねることだけである。
#4. 会社の期待と重ねる
入社2週目に、教育担当と本人でシートを読み合わせる。ここで重ねる作業を行う。
#4-1. 3つの領域に分ける
┌─────────────┐ ┌─────────────┐
│ 本人が │ │ 会社が │
│ なりたい姿 │ A │ 期待すること │
│ B │重なり│ C │
└─────────────┘ └─────────────┘
| 領域 | 内容 | 扱い方 |
|---|---|---|
| A:重なる部分 | 本人もやりたいし、会社も任せたい | 最優先で機会を渡す。 ここが燃料になる |
| B:本人だけ | 本人はやりたいが、今の会社の業務にはない | 否定しない。将来の可能性として残す。関連する業務があれば橋を架ける |
| C:会社だけ | 会社としては必要だが、本人の関心が薄い | やる必要があることは、正直に伝える。 ただし「何のためか」を必ず添える |
#4-2. Cの伝え方が最も重要
すべての業務が本人のやりたいことと一致することはない。Cを隠さず、正直に伝える。
伝え方の例:「〇〇はあなたのやりたいことと直接つながらないかもしれません。でも当社では必要な業務ですし、これができると△△の判断もできるようになります。そこはあなたの『□□をやりたい』にもつながります」
「これも仕事だからやって」で済ませない。 目的を説明する手間を惜しむと、Cの業務は必ず質が落ちる。
#4-3. Bを潰さない
本人のやりたいことが今の会社にない場合、「うちではできない」と切らない。
| ❌ | ✅ |
|---|---|
| 「それはうちの仕事じゃないね」 | 「今はその業務はありません。ただ、〇〇の部分は近いので、そこから触ってみますか」 |
| 話題にしない | 半年ごとの見直しで、必ず状況を確認する |
小規模組織では、本人のやりたいことが新しい事業の種になることがある。潰すと、その可能性ごと失われる。
#5. 日々の運用への落とし込み
宣言しただけでは何も変わらない。月次の予定づくりに組み込む。
#5-1. 月に1項目のルール
月初の予定づくり(40_報告運用ルール.md 4章)のとき、なりたい姿に近づく項目を1つ入れる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 数 | 月に1つだけ。 増やさない |
| 大きさ | その月の稼働の5%以内(20時間/月なら1時間程度でもよい) |
| 内容 | 業務の中でできることを優先する(研修や勉強より、実務での経験) |
| 記録 | 月次の振り返りで、やったかどうかを確認する |
「1つだけ」が重要である。 多くすると本業を圧迫し、続かない。1つなら、忙しい月でも守れる。
#5-2. 項目の例
| なりたい姿 | 月に入れる1項目 |
|---|---|
| 〇〇案件を一人で回したい | 今月は、〇〇案件の見積もり部分だけ自分で作ってみる |
| お客様と直接話せるようになりたい | 今月の打ち合わせに1回同席し、議事録を書く |
| △△の判断を自分でできるようになりたい | 今月、△△の判断を3回、自分の案を出してから確認をもらう |
| 人に教えられるようになりたい | 今月、自分が担当している業務の手順書を1本書く |
#5-3. 教育担当がやること
- 月初:本人が入れた1項目を確認する(内容には口を出さず、大きすぎないかだけ見る)
- 月末:やったかどうかを聞く。できなかった場合、責めない
- 四半期:1項目の積み重ねが、なりたい姿に向かっているかを一緒に確認する
できなかった月が続く場合は、項目が大きすぎるか、本業が過負荷である。 本人の意欲の問題として扱わない。
#6. 見直しのタイミング
| 時期 | やること |
|---|---|
| 3ヶ月目(ティーチング卒業時) | 実際に働いてみて、書いた内容が変わったかを確認する。変わって当然 |
| 6ヶ月目(コーチング卒業時) | 1年後の姿が現実的になっているかを見る。具体化を促す |
| 1年目 | 達成度を確認し、次の1年を書き直す |
| 以降、半年ごと | 更新する。役割・担当の見直しに反映する |
#6-1. 変わることを歓迎する
「前に書いたことと違う」を責めない。 実際に働いてみて変わるのは、健全な変化である。
伝え方の例:「入社時に書いてもらったものと、だいぶ変わりましたね。3ヶ月やってみて見えたことがあるということだと思います。今のほうが実感に近いなら、そちらで進めましょう」
#6-2. 変わらない場合
半年経っても内容がまったく変わらない場合、次のどちらかである。
| 可能性 | 確認方法 | 対処 |
|---|---|---|
| 本当に一貫している | 具体的なエピソードを聞くと出てくる | そのまま進める。強い動機である |
| 書いたことを忘れている/形骸化 | 内容を覚えていない、話が具体化しない | 3-2の引き出し方をやり直す |
#7. やってはいけないこと
この仕組みは、扱いを誤ると逆効果になる。次は絶対にやらない。
| 禁止 | なぜ |
|---|---|
| なりたい姿を人事評価に使う | 評価されると分かった瞬間、会社が望む答えを書くようになる。燃料としての機能が消える |
| 宣言した目標の未達を責める | 宣言することが罰になり、控えめな目標しか出てこなくなる |
| 他の社員と比較する | 動機は人それぞれ。比較した時点で、本人のものでなくなる |
| 本人の同意なく他の社員に共有する | 本音は共有されない前提でしか出てこない |
| 「会社としてはこうなってほしい」を書かせる | それは会社の期待(領域C)であり、本人の宣言ではない |
#7-1. 評価との関係
| 対象 | 評価に使うか |
|---|---|
| なりたい姿の内容 | 使わない |
| 月1項目をやったかどうか | 使わない |
| 業務の到達レベル(Lv.1〜3) | 使う(通常の育成判定) |
| 行動規範の遵守 | 使う(50_行動規範_権利と義務.md) |
この線引きを、本人に最初に明示する。
伝え方の例:「ここに書いたことで評価が変わることはありません。評価は、任された仕事とルールで見ます。これは、あなたが頑張る理由を自分で持つためのものです」
#8. 「頑張ってもらう」ための構造
この仕組み全体が目指しているのは、頑張らせることではなく、頑張る理由が本人の中にある状態である。
【従来】会社がゴールを決める → 指示する → やらせる → 会社が動機を供給し続ける
(担当者が疲弊する)
【本制度】本人がなりたい姿を出す
↓
会社の期待と重ねる(A/B/C)
↓
月に1つ、近づく項目を自分で入れる
↓
進んだことを本人が実感する
↓
次の月も自分で入れる ← 自走
小規模組織では、動機を供給し続けるだけの人手がない。だからこそ、本人の中に燃料を持ってもらう必要がある。この仕組みは、教育コスト削減の施策でもある。
#9. 関連文書
| 文書 | 関係 |
|---|---|
| フォロワーシップと教育範囲の基準 | Lv.3までが会社の責任、Lv.4は本人の領域。本文書がLv.4への橋になる |
| 見極めガイド(最初の3ヶ月) | 見極めで分かった傾向は、なりたい姿の引き出しにも使える |
40_報告運用ルール.md | 月初の予定づくりに「月1項目」を組み込む |
| コーチング 運用ガイド | 面談で「なりたい姿に近づいていますか」を扱う |
templates/08_なりたい姿シート.md | 記入様式 |
週次報告シート
記入の目安:15分。きれいに書く必要はありません。3と4は必ず埋めてください。
#1. 今月の進捗率
今月やると決めたことを100%としたとき、現在 % 完了。
(先週時点: % → 今週 %)
予定どおりか: □ 予定どおり □ 少し遅れ □ 遅れ □ 前倒しできている
#2. 今週完了したこと
「次に渡せる状態」になったものだけを書きます。
| # | 完了したこと | 完了日 |
|---|---|---|
| 1 | ||
| 2 | ||
| 3 | ||
| 4 |
#3. 今週完了しなかったこと <必須>
予定していたが終わらなかったものを書きます。理由も書いてください。理由は責任を問うためではなく、次の対策を一緒に考えるための材料です。
| # | 終わらなかったこと | 理由 | いつやるか |
|---|---|---|---|
| 1 | |||
| 2 |
□ 該当なし(すべて予定どおり完了した)
#4. 詰まっていること・困っていること <必須>
| # | 内容 | 自分で試したこと | 自分の考え |
|---|---|---|---|
| 1 | |||
| 2 |
□ 特になし
「特になし」が3週続いたら、教育担当から確認します。 詰まりがまったくないことは、通常はありません。難易度が合っていないか、気づいていないかのどちらかです。
#5. 今週、一番迷ったこと <必須>
判断に迷った場面を1つ書いてください。結果の良し悪しは問いません。
| 項目 | 記入欄 |
|---|---|
| どんな場面か | |
| どう考えて決めたか | |
| 他にどんな選択肢があったか |
#6. 来週やること
| # | やること | 目安時間 | 期限 |
|---|---|---|---|
| 1 | |||
| 2 | |||
| 3 |
#7. 遅れの見込み
今月の予定に対して、遅れそうなものがあれば書いてください。遅れる前に書くことに価値があります。
| 対象 | どれくらい遅れそうか | どうするつもりか |
|---|---|---|
□ 遅れの見込みなし
#8. 今月の「なりたい姿に近づく1項目」
(70_なりたい姿の宣言と目標運用.md で立てた項目)
| 項目 | 状況 |
|---|---|
| □ 完了 □ 進行中 □ 未着手 |
#<教育担当 記入欄>
| 項目 | 記入欄 |
|---|---|
| 確認日 | |
| 良かった点(具体的に) | |
| 次週に見るポイント | |
| こちらで対応すること |
遅れの報告があった場合、まず「早く言ってくれてよかった」と伝えること。
月次カレンダー運用シート(予定・現状・完了)
このシートは本人が作ります。 教育担当が作った予定表を見ても、俯瞰する力は身につきません。
所要:月初75分/月末30分
#■ 月初:予定を立てる
#STEP 1 今月やることを全部書き出す(20分)
定例・案件・締切のあるもの、すべて書き出します。抜けがないことを優先し、順序は気にしません。
| # | やること | 種別 | 期限 | 見積時間 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 定例 | h | ||
| 2 | 定例 | h | ||
| 3 | 案件 | h | ||
| 4 | 案件 | h | ||
| 5 | h | |||
| 6 | h | |||
| 7 | h | |||
| 8 | h | |||
| 9 | h | |||
| 10 | h |
合計見積時間: h
#STEP 2 稼働時間と比較する(5分)
| 項目 | 時間 |
|---|---|
| A. 今月の稼働可能時間(営業日数 × 1日の稼働時間) | h |
| B. 割り込み・想定外のための余白(Aの20%) | h |
| C. 実際に使える時間(A − B) | h |
| D. 合計見積時間(STEP 1) | h |
| E. 差分(C − D) | h |
#判定
- E がプラス → このまま進める
- E がマイナス → 下の「超過時の調整」を必ず実施し、教育担当と相談する
#超過時の調整(Eがマイナスの場合)
「頑張って詰め込む」は選択肢に入れません。 以下から選びます。
| 調整方法 | 対象 | 削減時間 |
|---|---|---|
| □ 優先順位を落とす(今月やらない) | h | |
| □ 誰かに渡す | h | |
| □ 期限を交渉する | h | |
| □ やり方を変えて時間を減らす | h |
調整後の合計: h(E: h)
#STEP 3 カレンダーに配置する(20分)
締切から逆算して置きます。 締切日に置くのではなく、着手日に置いてください。
| 週 | 主に進めること | 締切のあるもの |
|---|---|---|
| 第1週( / 〜 / ) | ||
| 第2週( / 〜 / ) | ||
| 第3週( / 〜 / ) | ||
| 第4週( / 〜 / ) | ||
| 第5週( / 〜 / ) |
配置の確認
- 締切の直前に固まっていないか
- 他の人の着手条件になるものを、早めに置いたか
- 余白(20%)を潰していないか
#STEP 4 今月の「なりたい姿に近づく1項目」
(70_なりたい姿の宣言と目標運用.md 参照。月に1つだけ。稼働の5%以内)
| 項目 | いつやるか | 目安時間 |
|---|---|---|
| h |
#STEP 5 教育担当の確認(15分)
| 確認項目 | 結果 |
|---|---|
| 抜けている業務はないか | □ |
| 見積もり時間は現実的か(楽観的すぎないか) | □ |
| 締切の直前に固まっていないか | □ |
| 割り込み用の余白が確保されているか | □ |
| 他の人の作業を止める項目が、早めに置かれているか | □ |
| 「なりたい姿の1項目」が大きすぎないか | □ |
確認者: 確認日: /
コメント:
#■ 月中:カレンダーで可視化する
既存のカレンダーツールで、次のとおり色分けします。新しいツールは導入しません。
| 状態 | 表示方法 |
|---|---|
| 予定 | 着手予定日に配置(未着手の色) |
| 現状 | 進行中のものを別色に変える |
| 完了 | 完了したものを別色に変える |
教育担当はいつでも閲覧できる状態にしておきますが、気づいたことは週次報告の場で扱います。 常時監視されている感覚は、報告の質を下げます。
#■ 月末:振り返る(30分)
#1. 達成状況
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 予定した項目数 | 件 |
| 完了した項目数 | 件 |
| 達成率 | % |
#2. 見積もりの精度
見積もりより時間がかかったものを書き出します。 ここを毎月見ることで、見積もり能力が上がります。
| 業務 | 見積 | 実績 | 差 | なぜ増えたか |
|---|---|---|---|---|
| h | h | h | ||
| h | h | h | ||
| h | h | h |
傾向: □ 全体的に楽観的 □ 全体的に悲観的 □ おおむね合っている □ 業務によってばらつく
#3. 想定外の割り込み
| 内容 | かかった時間 |
|---|---|
| h | |
| h | |
| 合計 | h |
余白として確保した時間(B): h → 来月の余白をどうするか: h
#4. 遅れたもの
| 遅れたもの | いつ気づいたか | もっと早く気づけたか | 早く気づくには |
|---|---|---|---|
| □ はい □ いいえ |
#5. 「なりたい姿の1項目」
| 項目 | 結果 | できなかった場合の理由 |
|---|---|---|
| □ 完了 □ 未完了 |
※ できなかった場合、項目が大きすぎるか、本業が過負荷です。 意欲の問題として扱いません。
#6. 来月への反映
| 項目 | 来月どうするか |
|---|---|
| 見積もりの取り方 | |
| 余白の量 | |
| 配置の仕方 | |
| その他 |
イレギュラー申請・調整シート
調整してよいものです。 無理をする必要も、黙って遅れる必要もありません。
休暇・体調不良・出社困難などは、必ず発生します。都度判断ではなく、この様式で処理します。
#1. 区分
- 事前にわかっている休暇(有給・私用・通院など)
- 当日の体調不良・急な事情
- 出社困難だが業務は可能(交通機関・天候・家庭事情など)
- その他( )
#2. 対象期間
| 項目 | 記入欄 |
|---|---|
| 開始 | 月 日( ) 時ごろ〜 |
| 終了(見込み) | 月 日( ) 時ごろ |
| 日数 | 日 |
※ 事情の詳細(健康・家庭など)を書く必要はありません。 区分と期間だけで十分です。
#3. 影響する業務
その期間に予定していた業務と、影響を書きます。
| # | 予定していた業務 | 期限 | 誰かの着手条件か | 影響 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | □ はい | |||
| 2 | □ はい | |||
| 3 | □ はい |
「誰かの着手条件」にチェックがついたものは、最優先で調整します。
#4. 自分で考えた調整案
案がある場合は書いてください。 ない場合は空欄でかまいません(特に体調不良時)。
| # | 対象業務 | 調整案 |
|---|---|---|
| 1 | □ 前倒しで済ませる( / まで) □ 後ろ倒しにする( / へ) □ 誰かに渡す □ 期限を交渉する | |
| 2 | □ 前倒しで済ませる( / まで) □ 後ろ倒しにする( / へ) □ 誰かに渡す □ 期限を交渉する | |
| 3 | □ 前倒しで済ませる( / まで) □ 後ろ倒しにする( / へ) □ 誰かに渡す □ 期限を交渉する |
#自宅作業を希望する場合
詳細は 55_自宅作業(在宅)の考え方とルール.md。基本は出社ですが、やむを得ない場合は認めます。遠慮しないでください。
前提①:自分のリソースを自分で処理できる状態か(本人が自己チェック)
- 指示がなくても、その日やることの優先順位を自分で決められる
- 詰まったとき、30分で見切りをつけて自分から連絡できる
- 完了の定義(次に渡せる状態)を、自分で判断できる
- 遅れそうなとき、遅れる前に自分から伝えられる
前提②:その日進める業務が明確にあるか
| その日進める業務 | なぜ今日進める必要があるか(納期など) |
|---|---|
□ 急ぎの業務は特にない → 無理に働かず、休んでください。 そのほうが結果的に速く終わります
自宅ではできない業務
#自宅作業の日に守ること
- 始業時に「開始します/今日やること」を連絡する
- 終業時に「完了したこと/残ったこと」を連絡する
- 連絡がつく状態を保つ(応答は業務時間内でよい)
- 中座する場合は伝える(通院・送迎など)
- 詰まったら30分ルールを守る(出社時より厳格に)
- 顧客情報・機密情報の取り扱いに注意する
#5. 連絡
| 項目 | 記入欄 |
|---|---|
| 連絡がつく手段 | □ つく( ) □ つかない |
| 連絡可能な時間帯 | |
| 緊急時に確認してよいか | □ よい □ できれば避けたい |
#<教育担当 記入欄>
#対応の決定
| # | 対象業務 | 決定した対応 | 担当 | 新しい期限 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ||||
| 2 | ||||
| 3 |
#自宅作業の可否判断(希望があった場合)
| 確認項目 | 結果 |
|---|---|
| 前提①(Lv.2以上・自分でリソースを処理できる) | □ 満たす □ 満たさない |
| 前提②(今すぐ進めるべき業務が明確) | □ 満たす □ 満たさない |
| 育成段階 | □ ティーチング(原則不可) □ コーチング(条件付き可) □ メンタリング・既存社員(可) |
判断: □ 自宅作業を認める □ 休むことを勧める □ 半日出社等の代替案
判断の理由(本人に必ず伝えること):
伝え方の例:「今の段階だと、詰まったときに自分から声を上げるまでが少し長いので、在宅だと一日止まってしまう心配があります。今回は休むか、半日だけ出社にしませんか」
#コーチング半日枠との重複
- 該当なし
- 水曜のコーチング半日と重なる → オンラインで代替せず、その週のうちに別日を設定する(伴走90分は画面越しでは機能しないため)
代替日: 月 日( ) 時〜
#育成段階への影響
- 影響なし
- 2週間以上の中断 → 育成段階の期間を、中断日数分だけ後ろ倒しする
| 項目 | 記入欄 |
|---|---|
| 現在の段階 | □ ティーチング □ コーチング □ メンタリング |
| 元の終了予定 | 年 月 日 |
| 変更後の終了予定 | 年 月 日 |
#周囲への共有
事情の詳細は共有しません。運用がどう変わるかだけを共有します。
| 項目 | 記入欄 |
|---|---|
| 共有先 | |
| 共有内容 |
#確認
| 項目 | 記入欄 |
|---|---|
| 受領日 | |
| 決定日 | |
| 本人への回答日 |
#■ 運用の原則(参考)
| 状況 | 対応の原則 |
|---|---|
| 事前にわかっている休暇 | 前週までに申告し、その週の予定を組み替えて提出する |
| 当日の体調不良・急な事情 | 始業前に連絡。その日の予定は教育担当が引き取るか、翌日以降に再配置する |
| 出社困難だが業務は可能 | 基本は出社。ただしやむを得ない場合は自宅作業を認める(前提①②の確認あり) |
| 急ぎの業務がない場合 | 休む。 無理に在宅で働かない |
| 育成段階の一時中断 | 2週間以上の中断は、段階の期間を中断日数分だけ後ろ倒しする |
申請を出したことを不利に扱いません。 黙って遅れることのほうが、組織にとって損失です。
#当日の急な事情(子どもの発熱など)の場合
シートは後回しでかまいません。まず連絡してください。
| 順 | やること | 期限 |
|---|---|---|
| 1 | 始業前に連絡する(電話・チャットいずれでも可) | 始業時刻まで |
| 2 | 「在宅で進めたいか/休みたいか」の希望を伝える | 同上 |
| 3 | その日進める業務を、教育担当と5分で決める | 始業後30分以内 |
| 4 | このシートを提出する | 当日中〜翌営業日 |
手続きより、連絡が先です。 子どもの看病をしながらシートを書く必要はありません。
<業務名> 手順書
この手順書は、教わった人が書きます。 教えた人が書くと、前提を省いてしまいます。
8割の完成度で公開してください。 使いながら直します。
詰まった箇所を見つけたら、気づいた人がその場で直します(作成者の許可は不要)。
#基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業務名 | |
| 作成者 | |
| 作成日 | 年 月 日 |
| 最終更新者 | |
| 最終更新日 | 年 月 日 |
| 分類 | □ 定型業務 □ 半定型業務 |
#1. 目的 <必須>
何のためにこの業務をやるのかを書きます。これがないと、状況が変わったときに応用できません。
(例)お客様への請求漏れを防ぎ、入金予定を正しく把握するため。
#2. 頻度・期限
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 頻度 | □ 毎日 □ 毎週( 曜日) □ 毎月( 日) □ 都度( のとき) |
| 期限 | |
| 所要時間の目安 | 分 |
#3. 前提・準備するもの
着手前に揃っている必要があるものを書きます。
| # | 必要なもの | どこにあるか |
|---|---|---|
| 1 | ||
| 2 | ||
| 3 |
必要な権限・アカウント:
#4. 手順 <必須>
1手順1行で書きます。自分ができるからと省略しないでください。 知らない人が読んで再現できるかが基準です。
| # | やること | 補足・注意点 |
|---|---|---|
| 1 | ||
| 2 | ||
| 3 | ||
| 4 | ||
| 5 | ||
| 6 | ||
| 7 | ||
| 8 |
#5. 完了の判断基準 <必須>
「作業した」ではなく「次に渡せる状態」を完了とします。どうなったら完了かを具体的に書きます。
(例)請求書PDFが共有フォルダの当月フォルダに保存され、
お客様へのメール送信が完了し、送信済みフォルダに記録されている状態。
完了チェック
#6. 判断が必要な箇所
手順の中で、状況によって判断が変わる箇所を書きます。迷ったら誰に聞くかも書いてください。
| # | どこで | どう判断するか | 迷ったら誰に聞くか |
|---|---|---|---|
| 1 | |||
| 2 |
次の3つは、判断せず必ず上に確認します(AIメンタリング 運用ルール 6章)。
- 顧客・金銭・契約に関わる判断
- 会社としての方針・優先順位
- 前例のない依頼
#7. よくあるつまずき
実際に詰まった箇所を、その場で追記していきます。 ここが手順書の価値になります。
| # | 詰まったこと | 原因 | 対処 | 追記日 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | / | |||
| 2 | / | |||
| 3 | / |
#8. やってはいけないこと
事故につながる操作があれば書きます。
| # | やってはいけないこと | なぜ |
|---|---|---|
| 1 | ||
| 2 |
#9. 関連する手順書
| 手順書名 | 関係 |
|---|---|
| この業務の前にやること | |
| この業務の後にやること |
#更新履歴
| 日付 | 更新者 | 更新内容 |
|---|---|---|
| / | 新規作成 | |
| / | ||
| / |
#<添削チェック(教育担当・1本15分)>
書き直さないこと。 指摘して、本人に直させます。
- 目的が書かれているか
- 手順が飛んでいないか(自分ができるからと省略していないか)
- 専門用語に説明があるか
- 完了の判断基準が具体的か
- 判断が必要な箇所に「誰に聞くか」が書かれているか
- 実際にこれを見て、知らない人ができるか
添削者: 添削日: /
なりたい姿シート
#■ はじめに(必ず読んでください)
| 約束 | 内容 |
|---|---|
| 評価には使いません | ここに書いたことで評価が変わることはありません。評価は、任された仕事とルールで見ます |
| 未達を責めません | 書いた目標に届かなくても、それを理由に責めることはありません |
| 変わってかまいません | 働いてみて変わるのは自然なことです。3ヶ月ごとに書き直せます |
| 「特にない」でもかまいません | 今は無理に決めなくて大丈夫です。空欄のまま出してください |
| 同意なく他の人に共有しません | 教育担当と経営者のみが見ます |
これは、あなたが頑張る理由を自分で持つためのシートです。 会社が望む答えを書く必要はありません。
#1. 1年後 <できるだけ具体的に>
どんな仕事を、どのくらい任されている状態でいたいですか。
具体的に書くほど、日々の行動に落とせます。
| ❌ 落ちない書き方 | ✅ 落ちる書き方 |
|---|---|
| 成長したい | 〇〇の案件を、一人で最初から最後まで回せるようになりたい |
| 役に立ちたい | 誰かの確認がなくても、△△の判断を自分でできるようになりたい |
| 頑張ります | 手順書を見なくても、□□を30分で終えられるようになりたい |
#記入欄
#2. 3年後
何ができる人だと言われていたいですか。(役割・強みのレベルで、中くらいの粒度で)
#3. その先
仕事を通じて、どうなっていたいですか。(曖昧でかまいません。方向だけで十分です)
#■ 「特にない」場合はこちらへ
書けなくて当然です。 次の質問に、答えられるものだけ答えてください。
#Q1. これまでで、やっていて面白かったことは何ですか(仕事以外でもかまいません)
#Q2. 逆に、これはしんどいと感じたことは何ですか
#Q3. 当社の仕事の中で、少しでも興味が湧いたものはありますか
#Q4. 1年後、「これができるようになっていたら嬉しい」と思うものはありますか(小さくてかまいません)
#Q5. 逆に、「1年後もこれができていなかったら嫌だな」と思うものはありますか
Q5が書けることが多くあります。「なりたくない姿」も、立派な出発点です。
それでも出てこなければ、空欄で提出してください。3ヶ月後にまた聞きます。
#<読み合わせ(入社2週目・教育担当と一緒に)>
#1. 3つの領域に分ける
| 領域 | 内容 | 記入 |
|---|---|---|
| A:重なる部分<br>本人もやりたい/会社も任せたい | ||
| B:本人だけ<br>やりたいが、今の会社の業務にはない | ||
| C:会社だけ<br>会社としては必要だが、関心は薄い |
#2. 領域ごとの扱い
#A:重なる部分 → 最優先で機会を渡す
| いつ | どんな機会を渡すか |
|---|---|
#B:本人だけ → 否定しない。将来の可能性として残す
| 項目 | 記入欄 |
|---|---|
| 今の業務で、近い部分はあるか | |
| 次に状況を確認する時期 | 年 月 |
「うちではできない」と切らないこと。 小規模組織では、本人のやりたいことが新しい事業の種になることがあります。
#C:会社だけ → 必要なことは正直に伝える。ただし目的を必ず添える
| 業務 | 何のためにやるのか | 本人のなりたい姿とどうつながるか |
|---|---|---|
伝え方の例:「〇〇はあなたのやりたいことと直接つながらないかもしれません。でも当社では必要な業務ですし、これができると△△の判断もできるようになります。そこはあなたの『□□をやりたい』にもつながります」
#3. 読み合わせの記録
| 項目 | 記入欄 |
|---|---|
| 実施日 | / |
| 実施者 | |
| 決めたこと |
教育担当は、書かれた内容を評価・否定しません。 やることは、聞くことと、重ねることだけです。
#<月次運用:なりたい姿に近づく1項目>
月初の予定づくりのとき、月に1つだけ入れます。稼働の5%以内(20時間/月なら1時間程度でも可)。 実務の中でできることを優先します(研修や勉強より、実務での経験)。
| 月 | 入れた項目 | 目安時間 | 結果 | できなかった理由 |
|---|---|---|---|---|
| 月 | h | □ 完了 □ 未完了 | ||
| 月 | h | □ 完了 □ 未完了 | ||
| 月 | h | □ 完了 □ 未完了 | ||
| 月 | h | □ 完了 □ 未完了 | ||
| 月 | h | □ 完了 □ 未完了 | ||
| 月 | h | □ 完了 □ 未完了 |
#項目の例
| なりたい姿 | 月に入れる1項目 |
|---|---|
| 〇〇案件を一人で回したい | 今月は、〇〇案件の見積もり部分だけ自分で作ってみる |
| お客様と直接話せるようになりたい | 今月の打ち合わせに1回同席し、議事録を書く |
| △△の判断を自分でできるようになりたい | 今月、△△の判断を3回、自分の案を出してから確認をもらう |
| 人に教えられるようになりたい | 今月、自分が担当している業務の手順書を1本書く |
できなかった月が続く場合、項目が大きすぎるか、本業が過負荷です。 意欲の問題として扱いません。
#<見直し記録>
| 時期 | 実施日 | 変わったこと | 変わらなかったこと |
|---|---|---|---|
| 3ヶ月目 | / | ||
| 6ヶ月目 | / | ||
| 1年目 | / |
「前に書いたことと違う」は歓迎されます。 実際に働いてみて見えたことがある、ということです。
習慣化カード(スタンプカード)
これは評価には一切使いません。 誰かと比べることもしません。教育担当も見に行きません。
押すのは自分だけです。机の見えるところに置いて使ってください。
#押し方
| 内容 | |
|---|---|
| 押す条件 | 終業前の5分を書いた(完了したこと/終わらなかったこと/詰まったこと1件) |
| 1日 | 1個だけ。増やしません |
| 押し忘れ | 翌営業日中なら、遡って押してかまいません |
| 休んだ日 | 「休」と書いてください。連続は途切れません |
#休んでも途切れません
土日祝・有給・体調不良・お子さんの事情——どれも連続日数には影響しません。
続けるために無理をする、ということにはしたくないので。
急ぎの仕事がないときは、休んでください。そのほうが結果的に速く終わります。
#途切れても大丈夫です
忙しくて数日抜けても、1ヶ月やらなくても、何も起きません。 また今日から押せば大丈夫です。 合わないと感じたら、やめてもかまいません(報告そのものは続けてください)。
#今月のカード
その日のマスに、スタンプ・シール・チェック・日付、何でも自由に記入してください。 休んだ日は「休」と書きます。
| 週 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第1週 | |||||
| 第2週 | |||||
| 第3週 | |||||
| 第4週 | |||||
| 第5週 |
今月の営業日: 日 / 押せた日: 日
#ボーナス(任意)
押せなくても、上のカードには影響しません。おまけです。
| ボーナス | 条件 | 第1週 | 第2週 | 第3週 | 第4週 | 第5週 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 週次報告 | 金曜16時までに出した |
| ボーナス | 条件 | 今月 |
|---|---|---|
| 月初 | 月初の予定づくりをやった | |
| 月末 | 月末の振り返りをやった | |
| なりたい姿 | 「なりたい姿に近づく1項目」をやった |
#連続日数
営業日で数えます。休んだ日は数えません(途切れません)。
| 項目 | 記入 |
|---|---|
| 今の連続日数 | 日 |
| これまでの最長 | 日 |
| 通算で押せた日数 | 日 |
#バッジ
達成したら、日付を書き込んでください。
| バッジ | 条件 | 重なる節目 | 達成日 |
|---|---|---|---|
| ☐ はじめの一歩 | 5営業日 | 入社1週目を終えた | / |
| ☐ ひと月 | 20営業日 | ティーチング1ヶ月目 | / |
| ☐ 三日坊主を超えた | 30営業日 | ― | / |
| ☐ ティーチング完走 | 60営業日 | 3ヶ月目の振り返り | / |
| ☐ 半年 | 120営業日 | 6ヶ月目の振り返り | / |
| ☐ 一年 | 250営業日 | 1年目の振り返り | / |
#ひとこと(任意)
今月やってみて気づいたこと、続けやすかった工夫など。書かなくても大丈夫です。
#覚えておくと続きやすいこと
48_習慣化の心理学_背景となる考え方.md からの抜粋です。
| 続かないのは意志の問題ではありません | 続く形になっていないだけです。小さくしましょう |
| 「帰り支度を始めたら書く」 | 時刻で決めるより、行動とセットにするほうが続きます |
| やる気は、あとから出ます | 続いているのが見えるから、やる気が出ます。順番が逆です |
| 2〜3ヶ月かかるのが普通です | 習慣化には平均66日、人によっては半年以上かかります |
| 「報告を出す」より「言える人になる」 | 行動より「どうなりたいか」で捉えるほうが定着します |
#次の月のカード
コピーして使ってください。ナレッジサイトの「習慣化カード」なら、連続日数とバッジが自動で計算されます。