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横展開・外販に向けた設計方針

  • 文書種別: 事業検討メモ(社内用)
  • 作成日: 2026-07-29
  • 前提: まず自社で運営する。 横展開できそうだと判断できた場合に、他社への提供を検討する
  • ステータス: 検討段階(外販の意思決定は未了)
  • 取扱い: 経営層限定。社員に配布する版には含めないこと

#1. この文書の位置づけ

本制度は、第一に自社の課題を解決するために作りました。外販はその後の選択肢です。

順序を逆にしないでください。 売ることを先に考えると、自社で使わない機能が入り、制度が重くなり、自社運用が続かなくなります。自社で回らなかったものは、他社でも回りません。

原則:自社で6ヶ月以上回り続けたものだけを、商品候補とする。


#2. すでに済ませてある準備

外販を見据えて、文書構成を次のように分離してあります。追加作業なしで、この構造は使えます。

区分ファイル内容他社展開時
汎用部分0080templates/0108会社名・業務名・事業内容を一切含まないそのまま使える
自社固有部分90_自社設定シート.md会社情報/業務一覧/担当範囲/曜日時刻/ツール/就業ルールこれ1つを差し替える

この分離があるため、他社に提供する際の作業は次だけになります。

① 汎用部分(19ファイル)をそのまま渡す
② 90_自社設定シートを、その会社用に記入してもらう(または一緒に記入する)
③ 業務一覧の棚卸しを支援する(60_マニュアル整備の進め方 STEP1〜2)

制度文書に自社固有の情報を書き足さないでください。 書き足した瞬間、この構造が崩れます。追記したい情報が出たら、90 に書いてください。


#3. 自社運用で記録すべきこと(実証データ)

商品化の可否は、自社での実測値で判断します。感想ではなく数字を残してください。

#3-1. 必ず記録する5項目

#記録項目取り方なぜ必要か
1教育担当の実投入時間週次で実績を記録(templates/03 のセルフチェック欄)「6ヶ月で月1.5時間まで下がる」が本当かの検証。最大の訴求点になる
2段階ごとの実所要期間卒業判定日を記録3ヶ月/3ヶ月の設定が妥当かの検証
3卒業判定の未達項目templates/03 の判定結果どの項目でつまずくかが分かれば、カリキュラムを改善できる
4教育担当への質問件数の推移月次でカウントAIファースト原則の効果測定
5面談枠の実施率実施/予定 で算出制度が回るかどうかの最重要指標(下記3-3)

#3-2. 併せて記録すると価値が高いもの

記録項目取り方
見極めタイプ別の所要期間の差templates/06 のタイプと、卒業までの日数を突き合わせる
手順書の作成本数と作成時間90 の業務一覧のチェック欄
「なりたい姿の月1項目」の実施率templates/08 の月次表
制度導入前後の、教育担当の体感半年ごとに一言で記録

#3-3. 面談枠の実施率が、成否を決める

この数字だけは、必ず取ってください。

実施率判断
90%以上制度は回っている。商品化を検討してよい
70〜90%枠の設計が重い。時間を減らすか頻度を落とす
70%未満制度として成立していない。 商品化を検討する段階にない

自社で守れない枠を他社に売ると、必ずクレームになります。


#4. 商品化を検討してよい条件

次のすべてを満たしたときに、初めて外販の検討に入ります。

  • 自社で6ヶ月以上継続して運用できた
  • 面談枠の実施率が90%以上である
  • 1名以上がコーチング段階を卒業した(Lv.3到達)
  • 教育担当の投入時間が、設計どおり逓減した(月20時間 → 月1.5時間)
  • 制度の見直しを1回以上行い、削るべき項目を削った
  • 教育担当が「次の人にも同じ方法でやりたい」と言える状態にある

「1名以上が卒業した」が最も重要です。 1周していない制度は、机上のものです。


#5. 商品形態の候補

条件を満たした場合の提供形態を、コスト順に並べます。

形態内容提供コスト単価目安適する相手
A. 文書一式の提供汎用19ファイル+記入方法の説明自社で組み立てられる会社
B. A+導入支援業務棚卸しの伴走、90の記入支援、初回研修本命。 教育担当が兼務の小規模企業
C. B+定期伴走月1回、教育担当向けの相談枠中〜高中〜高教育担当が孤立しやすい会社
D. システム化報告・面談・判定をWebシステム化規模が大きい会社

#5-1. Dは急がない

紙とスプレッドシートで回らないものは、システムにしても回りません。

システム化は、次が確認できてから検討してください。

  • 自社で1年以上、様式ベースで回っている
  • 他社2社以上で、様式ベースの導入実績がある
  • 「入力が手間」という要望が、実際の利用者から複数出ている

先にシステムを作ると、作ったが使われないものに開発費を投じることになります。

#5-2. 本命はB

小規模企業が本当に困っているのは、文書がないことではなく、業務の棚卸しができないこと面談枠を守れないことです。ここに人が伴走する形が、最も価値が出ます。


#6. 想定顧客

条件理由
社員数 5〜30名制度がない/作る余裕もない。かつ、人が増えて属人化が限界に来ている
教育担当が兼務専任がいる規模では、既に自前の制度がある
マニュアルが未整備本制度は「並行して作る」前提で設計済み
直近1年以内に採用予定がある/採用した課題が顕在化している
業種問わず業務内容は 90 に外出ししてあるため、業種依存がない

自社と同じ課題を持つ会社が顧客です。 自社で効いたことしか、他社に勧められません。


#7. 差別化できる点

一般的な研修サービス・人材育成コンサルと比べたときの違いを整理します。

論点一般的なサービス本制度
対象規模中〜大企業(専任担当がいる前提)10名以下・兼務担当を前提に設計
マニュアル「整備されている前提」未整備を前提に、並行して作る手順込み
AI活用研修コンテンツとしてのAI教育コスト削減の手段としてのAI(30分ルール/エスカレーション基準)
教育の範囲曖昧なままLv.0〜4で定義し、会社の保証範囲をLv.3と明示
期間の扱い「継続的に」上限を切り、上限到達時の判断手順まで規定
担当者の負荷明示されない週あたり時間を明示し、6ヶ月で逓減する設計
見極め適性検査・診断ツール日常の観察5観点。ラベル貼り禁止を原則に明記

最も差別化になるのは「教育担当の投入時間が逓減する設計」です。 小規模企業の教育担当が本当に困っているのは、終わりが見えないことです。3-1の①を実測できていれば、これが最強の訴求材料になります。


#8. HitoLink との関係整理

社内には別途、HitoLink-product-spec-v0.1.md(採用〜育成〜異動をつなぐ人材関係管理プラットフォーム構想)があります。現時点では別物として扱います。

項目本制度HitoLink
位置づけ自社の社内制度商品構想
対象自社(将来的に他社)他社への提供が前提
形態文書・様式プラットフォーム
段階運用開始前アイデア検証用

#8-1. 将来的な接続の可能性

外販が現実味を帯びた段階で、次を検討する余地があります。今は決めません。

  • 本制度の「育成の3段階」「仕上がりLv.0〜4」を、HitoLinkの育成モジュールの仕様として流用する
  • 本制度の自社運用データを、HitoLinkの機能設計の裏付けとして使う
  • 本制度(文書・伴走)を先に売り、HitoLink(システム)へのアップグレード導線とする

判断時期:本制度が自社で6ヶ月回り、4章の条件を満たした時点。


#9. 外販に進む場合の注意点

#注意点内容
1労務面の記述には踏み込まない05 7章の期間上限などは育成の到達基準。処遇の助言をすると、社労士法に触れる可能性がある。他社には「就業規則との整合は貴社で確認」と必ず明示する
2見極めを診断ツールとして売らない適性検査的な使い方をされると、本来の趣旨(教え方の調整)から外れ、トラブルの元になる
3「必ず育つ」と言わない会社が保証するのはLv.3まで、という線引きが本制度の要。効果を過大に約束しない
4自社の実測値以外を根拠にしない他社事例がない段階で一般論を語ると、導入後に齟齬が出る
5最初の1〜2社は、単価より学びを優先する自社以外での運用で何が起きるかを知ることが、次の改善につながる

#10. 当面の進め方

時期やること
今〜3ヶ月自社で運用する。3-1の5項目を記録する。外販は考えない
3ヶ月後ティーチング1周目の結果を見て、カリキュラムを修正する
6ヶ月後4章の条件を確認する。満たしていれば、外販の検討に入る
6ヶ月後(満たした場合)形態Bで、知り合いの会社1社に無償または低額で試験導入する
1年後試験導入の結果を踏まえ、商品化するかを判断する

3ヶ月間は、記録に集中してください。 記録がなければ、6ヶ月後に判断する材料がありません。