見極め観察シート(最初の3ヶ月)
このシートは、評価のためではなく、教え方を変えるために使います。
記入前に、
15_見極めガイド_最初の3ヶ月.mdの「見極めの5原則」を確認してください。- 合否や評価に使わない
- 決めつけない(仮説として扱う)
- 事実で記録する(「おとなしい」ではなく「3日間、質問が0件」)
- 3ヶ月目に本人へ開示する
- 環境要因(こちらの接し方)を先に疑う
#■ 記入前:教育担当の自己点検
ここが崩れていると、観察結果はすべて歪みます。 観察を始める前に確認してください。
- 質問しやすい態度で接しているか(忙しそうにしていないか)
- 質問されたとき、手を止めて聞いているか
- 「そんなことも分からないのか」という反応をしていないか
- 教えた記録を残しているか
- 良い点を言葉にして伝えているか(指摘だけになっていないか)
- 週の関与時間を実際に確保できているか
「質問が出ない」の原因の半分は、この6項目のどれかにあります。
#■ 1ヶ月目:観察(判断しない)
この月に結論を出しません。 入社直後は誰でも緊張しており、普段のクセは出ていません。 週1回・5分で、事実だけを記録します。
#記入例
| ❌ 書かない | ✅ 書く |
|---|---|
| おとなしい | 3日間、自分から質問が0件 |
| 飲み込みが早い | 手順を1回見せたら、次から独力でできた |
| 指摘に弱い | 手順の誤りを指摘した翌日、質問件数が0になった |
| 段取りが悪い | 3件の締切のうち、一番遠いものから着手した |
#週次記録
#第1週( / 〜 / )
| 観点 | 観察した事実 |
|---|---|
| ① 情報の受け取り方 | |
| ② 詰まったときの反応 | |
| ③ 指摘の受け止め方 | |
| ④ 時間と段取り | |
| ⑤ 人との関わり |
#第2週( / 〜 / )
| 観点 | 観察した事実 |
|---|---|
| ① 情報の受け取り方 | |
| ② 詰まったときの反応 | |
| ③ 指摘の受け止め方 | |
| ④ 時間と段取り | |
| ⑤ 人との関わり |
#第3週( / 〜 / )
| 観点 | 観察した事実 |
|---|---|
| ① 情報の受け取り方 | |
| ② 詰まったときの反応 | |
| ③ 指摘の受け止め方 | |
| ④ 時間と段取り | |
| ⑤ 人との関わり |
#第4週( / 〜 / )
| 観点 | 観察した事実 |
|---|---|
| ① 情報の受け取り方 | |
| ② 詰まったときの反応 | |
| ③ 指摘の受け止め方 | |
| ④ 時間と段取り | |
| ⑤ 人との関わり |
#観点ごとの確認方法(参考)
| 観点 | 確認方法 |
|---|---|
| ① 情報の受け取り方 | 同じことを違う方法で2回教え、どちらの後に手が動いたかを見る |
| ② 詰まったときの反応 | 答えを渡さず、少し難しい業務を任せる(顧客・金銭・データに影響しない範囲で) |
| ③ 指摘の受け止め方 | 1ヶ月目に軽微な指摘を意識的に1回行い、その後1週間の行動を見る |
| ④ 時間と段取り | 期限つきの業務を3つ与え、どう順序づけたかを聞く |
| ⑤ 人との関わり | 会議・雑談での発言、確認の取り方を見る |
#■ 2ヶ月目:仮説を立て、教え方を1つ変える
#1. 仮説
1ヶ月目の記録から、傾向の仮説を立てます。仮説であって、事実認定ではありません。
| 観点 | 仮説 | 根拠となる事実(日付つき) |
|---|---|---|
| ① 情報の受け取り方 | ||
| ② 詰まったときの反応 | ||
| ③ 指摘の受け止め方 | ||
| ④ 時間と段取り | ||
| ⑤ 人との関わり |
#2. 傾向(暫定)
観点②と③を軸に、接し方を決めるための区分です。人格の分類ではありません。 どれが優れている・劣っているという順位はなく、同じ人でも環境や時期によって変わります。
- 自走タイプ — 詰まりを早く出し、指摘も受け止める
- 承認先行タイプ — 報告は出るが、指摘に敏感
- 自己完結タイプ — 抱えるが、自力で解決してしまう
- 遠慮タイプ — 詰まりを出しにくく、指摘にも敏感
- 判断できない(もう1ヶ月観察する)
#傾向別の調整方針
| 傾向 | 教え方の調整 |
|---|---|
| 自走タイプ | 標準カリキュラムでよい。早めに任せる範囲を広げる |
| 承認先行タイプ | 指摘の前に必ず「できている点」を具体的に挙げる。個別の場で伝える |
| 自己完結タイプ | 「解決したか」ではなく「どう解決したか」を毎回聞く。30分ルールを丁寧に運用する |
| 遠慮タイプ | 詰まりの報告を仕組みに組み込む。日次で1つ挙げてもらう形にする |
遠慮タイプは、その人に問題があるのではありません。 「聞いてよいのか分からない」「迷惑をかけたくない」という気遣いが背景にあることがほとんどです。表面上は順調に見えるため気づくのが遅れやすく、3ヶ月目になって初めて困りごとが見えてくることがあります。1ヶ月目のうちに、本人が言い出さなくても済む形(日次で1件挙げる枠)を用意してください。
この傾向が出ているときは、まず冒頭の「記入前:教育担当の自己点検」に戻ってください。 聞きにくい空気は、教える側がつくっていることが多くあります。
#3. 変えてみること
教え方を1つだけ変えます。 複数を同時に変えると、何が効いたか分かりません。
| 項目 | 記入欄 |
|---|---|
| 変えること | |
| 開始日 | / |
| 効果をどう確認するか |
#4. 結果(2ヶ月目末に記入)
| 項目 | 記入欄 |
|---|---|
| 効果はあったか | □ あった □ なかった □ わからない |
| 観察された変化(事実) | |
| 仮説は当たっていたか | □ 当たっていた □ 外れていた □ 一部 |
| 次にどうするか |
#■ 3ヶ月目:検証と本人への共有
#1. 最終的な見立て
| 観点 | 見立て | 3ヶ月間の根拠(日付つき事実) |
|---|---|---|
| ① 情報の受け取り方 | ||
| ② 詰まったときの反応 | ||
| ③ 指摘の受け止め方 | ||
| ④ 時間と段取り | ||
| ⑤ 人との関わり |
傾向(確定): □ 自走タイプ □ 承認先行タイプ □ 自己完結タイプ □ 遠慮タイプ
#2. 本人への伝達
卒業判定と同じ場で伝えます。裏で持ち続けません。
#伝え方の原則
| 原則 | 具体的に |
|---|---|
| 事実から入る | 「〇月にこういう場面がありました」と記録を示す |
| 決めつけない | 「〜という傾向があるように見えますが、どう思いますか」と問いにする |
| 良し悪しにしない | 「抱え込むのは悪い」ではなく「抱え込むと、この場面でこう困る」と影響で語る |
| 次につなげる | 「コーチング期間は、ここを一緒に見ていきましょう」 |
伝え方の例:「3ヶ月見ていて、詰まってから声を上げるまでが少し長いように感じました。5月の〇〇の件では3時間ほど止まっていましたね。ご自身では、どう感じていますか」
#伝達記録
| 項目 | 記入欄 |
|---|---|
| 伝達日 | 年 月 日 |
| 伝えた内容 | |
| 本人の反応・自己認識 | |
| 認識が一致したか | □ 一致 □ 一部一致 □ 不一致(保留とする) |
本人が否定した場合は、押し切りません。 「では、次の3ヶ月で一緒に確認しましょう」と保留にします。
#3. コーチング段階へ引き継ぐこと
| 項目 | 記入欄 |
|---|---|
| コーチングで重点的に見るテーマ | |
| 接し方で継続すること | |
| 注意すべきリスク |
#■ 記録の取り扱い
| ルール | 内容 |
|---|---|
| 閲覧範囲 | 教育担当と経営者のみ |
| 本人への開示 | 3ヶ月目に開示する(隠して持たない) |
| 有効期限 | コーチング卒業(6ヶ月目)をもって、記録としての役割を終える |
| 使ってよいこと | 教え方の調整/コーチングのテーマ設定/業務割当の工夫/本人との対話 |
| 使ってはいけないこと | 人事評価の根拠/本人のいないところでの人物評/他の社員への共有(本人の同意なく) |